右目の不調を訴えてキャンプインが遅れていた楽天今江年晶内野手(35)が4日、久米島の2軍キャンプに合流した。「血圧を上げるのもダメ。ブルペンで打席に立って目を慣らすのはいいけど、筋トレとかはできない」と血圧計で何度もチェックしながら、ネットスローなど軽めのリハビリメニューで体を動かした。

1月29日に仙台市の病院で「右眼球中心性漿液(しょうえき)性脈絡網膜症」と診断された。「黒目の中心に水がたまっている状態。日常生活は問題ない。ぼやっとする見え方だけです」と説明する一方で、もどかしさは募る。30~50代の働き盛りの男性に多くみられ、良好な経過をたどって自然に治ることが多いとされる病気だが、安静に過ごすことが前提。原因も分からない。前日から治療目的として申請した利尿作用のある薬を服用。「(目にたまっている)水が抜けるのを待つしかない」。即効性のあるレーザー治療は視力低下のリスクもあり、ためらわれたという。

目いっぱい練習するチームメートを尻目に行う孤独なリハビリ。キャンプ地入りを決めたのは、温暖な気候が治療にプラスと聞いたこと、何より「僕のためだけに仙台にトレーナーを1人残してもらうのが申し訳なかった」からだ。「なってしまったものは仕方ない。神様が休めと言っているのかもしれない。焦るのが一番ダメ」。悔しさを押し殺し、自らに言い聞かせる。1軍が沖縄本島へ移る9日以降も久米島に残り、回復を待つ。【亀山泰宏】