息詰まる投手戦に終止符を打ったのは世田谷西の4番だった。0-0の6回裏、2番延末藍太の三塁打から無死一、三塁のチャンスで4番の青山達史。「打ったろうと思った」と気合十分で、放った左中間への打球は伸びてフェンスを越えて行った。

決勝3ランに、吉田昌弘監督は「まさか入るとは。この球場でフェンス越えを見たのは初めて。びっくりしたあ。今日は青山君に聞いてください」と笑った。両翼100メートル、優に125メートルは飛んだだろう。本人もびっくり。「手ごたえが今いちだったので、入るとは思わなかった。12本目の本塁打ですけど、今までで一番とんだ」と振り返った。吉田監督によると「1カ月半前までは補欠。悩んで、努力を積み重ねて、突然打ち始めた」という。「高い構えから低く構えて腰を回すイメージに変えたら打てるようになった」と青山。チーム一の長身「182.8センチ」(本人)だが「足と肩には自信があった。これからも打ちたい」と長打力も身に着けた頼れる4番が、チームを3回戦に導いた。