第50回記念明治神宮野球大会の優勝旗返還式が23日、神宮球場で行われた。

新型コロナウイルス感染拡大で第51回大会が中止になった影響で実施。前年優勝した慶大・瀬戸西純主将(4年)と中京大中京・原尚輝主将(2年)が出席し、第51回大会中止への胸中を吐露した。

原は「今年も2連覇という目標を掲げていたので残念。全員で返しに来たかった」と残念がった。

下を向いている時間はない。2日前に今シーズンの練習試合を全て終えた。期末試験が終われば冬のトレーニングが待っている。「切り替えて次に向かっていきたい。引き続き日本一を狙っていく。昨年を上回るようなチーム力を目指していきたい」と前を向いた。

瀬戸西は昨秋の同大会、そして6大学リーグで幾度となく熱戦を繰り広げてきた神宮球場へ思いをはせた。「昨秋の日本一の思い出が脳裏にもう1度思い浮かんでいる。全員でマウンドに集まった光景が忘れられない」と栄光を懐かしんだ。

苦すぎる敗戦もフラッシュバックする。約2週間前、8日の早慶戦。勝てば優勝が決まる大一番で、1点リードの9回2死に逆転2ラン。つかみかけた栄光が手から滑り落ちていった。「あの最終回の守備は2度と忘れることはない。もう1度あの悔しさを思い出した」。

両選手に贈呈された優勝旗のレプリカは、第50回大会を記念して作られたもの。しかし、お披露目は無観客の中ひっそりと行われる形になった。来年は観客が見守る中、学生たちが思う存分野球を楽しめる日常が戻ることを期待したい。