東大が法大に劇的サヨナラ勝ちで、17年秋以来となるシーズン2勝目を挙げた。

2戦先勝方式では同年秋の法大戦以来となる7年ぶりの勝ち点獲得へ望みをつないだ。元ロッテ投手の渡辺俊介氏(48)の長男、渡辺向輝投手(3年=海城)が151球を投じて自己最長の9回完投&リーグ戦初白星を手にした。

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東大・渡辺は自己最長となる9回のマウンドでも、粘り腰を発揮した。2死一、二塁で法大最後の打者を右飛に打ち取ると、小さくグラブをたたいた。ベンチから最終回の攻撃を見守り「決めてくれる」と仲間を信じた。応えるように、1死二塁で門田涼平内野手(2年=松山東)が右中間を破るサヨナラ打。渡辺は「泣きそうなくらいうれしい」とナインと抱き合い、歓喜の輪に加わった。

劇的な結末に至るまで、とにかく強力法大打線の気迫に負けなかった。前日12日の1回戦では、味方投手陣が16失点を喫した。「当ててしまってもいいから突こう」と、腹をくくり強気に内角を攻めた。与四死球7で5回以外は毎イニングで走者を背負ったが、要所を締めた。父のようなアンダースローで、序盤はスライダーとシンカーを軸にした。「相手の目が慣れてきたときに、直球やカーブといった別の球種を選択肢として冷静に投げられた」と、狙いを絞らせなかった。

チームは今季2勝目をマーク。慶大2回戦で鈴木太陽投手(4年=国立)が完投勝利を挙げ、チームの18連敗を止めた。渡辺は「次は自分が続いてやるぞという願いがかなった」と2週連続の完投勝利を挙げ、勢いに乗っている。

支えてくれている父に、反抗的なことを話してしまうこともあるという。だが、本音は違う。「慶大戦を踏まえてアドバイスをしてもらっているので。感謝したい」と素直に口にした。【佐瀬百合子】

▼東大・渡辺の父で日本製鉄かずさマジック渡辺俊介監督(元ロッテ) 「スタンドで見ていました。本人もキャッチャーのリードや好守に感謝していましたが、よく辛抱して投げ抜いたと思います。私の大学時代よりいいピッチングしていますね」

▼法大・大島公一監督(東大の渡辺を攻略できずサヨナラ負け) 「本当に渡辺君に良い投球をされて、良いスイングをさせてもらえなかった」

◆渡辺向輝(わたなべ・こうき)2004年(平16)2月25日生まれ、千葉・浦安市出身。小3から浦安ベイマリーンズで野球を始め、中学は海城(東京)軟式野球部、高校は同校硬式野球部。高3夏は城北に初戦敗退。東大では2年春にリーグ戦デビュー。上投げ、横投げを織り交ぜていたが、2年春に下手投げへ完全転向。3年春は救援で8試合、防御率2・45。3年秋から先発。球種は最速127キロの直球、スライダー、カーブ、シンカー。167センチ、61キロ。右投げ右打ち。