虎は負けなかった。勝ちに等しいドローだ。延長12回、チーム今季最長5時間5分の大激闘は2-2。負ければ1ゲーム差に迫られていたところで、2ゲーム差を守った。優勝マジックを一つ減らして「2」とし、栄光のリーグ連覇へまた一歩前進だ。

勝てなかったか、負けなかったかどちらが強いか、と問われた藤川球児監督(46)は「どちらもないです。総力戦で戦い抜いたと。ファンの方とともにグラウンド上で最後まで戦い抜いたことを誇りに思う」と胸を張った。

チームを救ったのは、大山悠輔内野手(31)のバットだった。まずは1点を追う6回。代わった巨人西舘のスライダーを左中間スタンドに運んだ。3試合連発、値千金の同点20号ソロ。4回まで毎回走者を得点圏に進めながら、無得点。嫌な流れを、主軸の一振りで断ち切った。

23発だった22年以来、4年ぶりに大台に到達。3番森下、4番佐藤とともに20発クリーンアップが誕生した。虎の20発トリオはS21年佐藤輝、大山、マルテ、サンズ以来5年ぶりだ。

8回に再び1点を勝ち越され、迎えた9回2死二、三塁。フルカウントから巨人の守護神、マルティネスの153キロを中前にはじき返した。アウトなら試合終了の崖っぷちで、気を吐いた。甲子園に割れんばかりの大歓声が沸き起こった。

「(引き分けは)大きいと思いますし、1、2打席目で凡退していたので。チームのみんなが粘ってくれここまで粘れてよかった」

全2打点で大山が2度チームを救った。最短優勝は3日。頼れる男がゴールテープを切りにいく。【村松万里子】

【プロ野球スコア速報】はこちら>>