「1回1/3」は指揮官の粋な計らいだった。
阪神西勇輝投手(35)が引退試合で先発した。初球は外角低めに130キロスライダー。先頭の広島中村奨を遊ゴロに仕留めると、続く勝田をチェンジアップで空振り三振。菊池も140キロ直球で空振り三振に仕留めた。
1度マウンドを降りたが、そのまま2回も続投。迎えた坂倉を宝刀シュートで3連続三振に仕留めると、ここで降板となった。
交代を告げに来た藤川球児監督(46)は、右腕にハグ。女房役の梅野隆太郎捕手(35)や仲間たちとともに、マウンドでしばらく笑顔の時間を過ごした。
藤川監督はこの交代を、直前のアイデアだったと説明した。
「ゲームギリギリになって、1イニングではなくて。やっぱりファンの方にしっかりとマウンド上での(姿を)、彼は先発投手ですからね。なんか1イニングだとまだファンの方もそろっていないかもしれないし、ギリギリになって伝えたんですけど本人も快く受けてくれて」
NPB歴代単独2位となる307試合連続先発を成し遂げた、右腕に対する敬意。指揮官は「多分ファンの方から見ても本当に辞める選手なのか、引退していく選手なのかなという見え方だったと思うんですよ。自分としてはまだまだできるし、続けてもらいたかった」と引退を惜しみつつも「彼の先発投手としての美しい野球人生ですか。本当に投球同様に野球人生というか、最後まできれいでしたね」とねぎらった。



