中日の新監督に元ソフトバンク監督の工藤公康氏(63)が就任する。加藤宏幸球団社長が8日、名古屋市内の球団事務所で取材対応し、明らかにした。6年連続Bクラスで、11年以来15年間リーグ優勝から遠ざかる中、球団では異例となる、84年の山内一弘氏以来の外部招へいを決断。常勝軍団ソフトバンクを築いた“優勝請負人”に、チームの再建を託す。合流時期や22日のドラフト会議への出席は未定だが、近日中に正式契約を結び、会見を行う。
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生え抜き監督が基本線だった中日が“外部招へい”を決断したことは、長い低迷から抜け出したいという強い意思を感じさせた。今季、観客動員数が球団史上最多となった一方、成績としては6年連続Bクラス。リーグ優勝は11年以来15年間、CS進出でさえも12年以来14年間遠ざかっている。“変化”を求めたのは切実な思いからだろう。
近年のドラフトでは石川昂、金丸ら目玉選手を獲得し、若きエース高橋宏、ベテラン大野ら幅広い世代が主力を担う。加藤球団社長も「土台作りの次のステップではないかな」と、整いつつある戦力を勝利につなげる段階への移行期にあると認識。そこで“勝てる監督”として白羽の矢を立てたのが工藤氏だった。
今季の投手陣には接戦での課題が残った。先発のQS率は61・5%で12球団トップながら、逆転負けは40試合で12球団ワースト。1点差ゲームの敗戦もリーグ最多で、接戦を勝ち切れなかった。加藤社長は「強固なチームづくりをしてほしい」とした上で、「まず最低でもAクラスとかっていうことを考えた時に、投手陣の立て直しがまず最優先」と説明。投手のメカニックを熟知し、育成出身の千賀(現メッツ)ら好投手を育てた工藤氏の手腕は、球団の求めるものだった。
中日は今季途中からデータを活用した新機器トラジェクトアークも導入。その面でも、米国の大学や研究機関を訪れ、最新の知見を取り入れてきた工藤氏と方向性が重なる。加藤社長は「外部から経験も知見もあって、(それを)ドラゴンズに注入してくれる方」と期待を寄せ「いわゆる指導には、昔の昭和の野球観ではなくて、科学的なものを取り入れた指導とか、それを含めた考え方ができる方というのは非常に思いました」と工藤氏に託す理由を説明した。
生え抜きではないとはいえ、工藤氏は愛工大名電で甲子園を沸かせた地元・愛知のスター。中日再建への足並みはそろっている。【佐瀬百合子】
○…中日の次期監督就任が決まった工藤氏は大阪市内で定例講演会を行った。「勝ち続ける組織のつくり方~常勝チームを支えた「準備」と「シミュレーション」~」をテーマに約2時間、講師役として来場者に語った。
◆工藤公康(くどう・きみやす)1963年(昭38)5月5日、愛知県生まれ。名古屋電気から81年ドラフト6位で西武入団。ダイエー、巨人、横浜、西武と渡り歩き、MVP2度。最優秀防御率4度、最高勝率4度、最多奪三振2度。優勝請負人と称され、日本シリーズでもMVP2度。47歳の10年に現役引退。通算224勝142敗3セーブ、防御率3・45。15年からソフトバンク監督を務め、在任7年でリーグ優勝3度、日本一5度。16年に野球殿堂入り。正力松太郎賞5度。現役時代は176センチ、80キロ、左投げ左打ち。



