2位西武が延長戦の末、サヨナラ勝利で3位日本ハムを破った。パ・リーグのCSファーストステージ第1戦(ベルーナドーム)を取り、ソフトバンクとのファイナルステージ(みずほペイペイドーム)進出に王手をかけた。決めたのは西口文也監督(54)もCSのキーマンに挙げていたアレクサンダー・カナリオ外野手(26)。延長10回1死、打球速度188キロ、最大到達点16メートルの衝撃低空“ブリブリ弾”がサヨナラ本塁打に。11日に勝利か引き分けで福岡行きが決まる。
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3・5秒で事が済めば何が起きたかも分からない。それでも打ったカナリオは確信する。「アンビリーバボー! チームやファンの皆さんのために打てたこと、本当にうれしいです」。仲間が騒ぐベンチを見ながら背走し、一塁を回ると、狂喜乱舞の白き獅子党が100メートル先に見えた。
ホームイン。ネビンに胸を突かれ、ジャンピングタッチ。長谷川からクソデカネックレスの贈呈だ。外崎&滝沢がカナリオ&ネビンのマネを試みたものの、上空でタイミング合わずにともに変な感じで着地。やりたい放題、何でもいい。打てない西武には何より、勢いがほしい。西口監督も望んだ通り、ドミニカ共和国からやって来たリードオフマンが決めてみせた。
ネビンの残留が決まり、台湾から林安可の獲得を早々に決めた昨オフ。それでもなお打力不足を懸念していた西口監督は「ブリブリ振れるのを」と“3人目”を求め、国際担当がカナリオを連れてきた。ブリブリと三振や凡打が多かったが、指揮官は粘って1番打者で使い続けた。シーズン中と合わせサヨナラ本塁打2本。これこそが采配だ。
陽気なカリビアンというタイプではなく、むしろ実直だ。先輩ネビンからは日本投手の攻め方やデータの読み方を学んだ。遠征先ではスマホをいじり、グーグルマップを使いながら街を探検することも。来季残留も決まり、どんどんニッポンに引き込まれる。「アリガトウ」「サムイネ」。どんどん笑みも生まれる。
どんどん、わずか3・5秒でも歓声が大きくなり、レジェンドのあの時を超えた。8月30日、栗山の引退試合。最後の安打は獅子党が105デシベルではじけた。この日、平沢の先制弾がそれに並び、カナリオのサヨナラ弾は今季最大の108・3デシベルをマーク。ファンが豪快に手をバチバチたたき合ったのと同じくらい、ダッグアウトもバチバチとすごかった。【金子真仁】



