高木監督 井端と荒木再コンバート決断

[2012年1月25日11時19分

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 中日高木守道監督(70)が、井端弘和内野手(36)と荒木雅博内野手(34)の守備位置を3年ぶりに入れ替えることが24日、確実になった。落合前監督が10年から二塁井端、遊撃荒木の布陣を敷いたが、今季は二塁荒木、遊撃井端に戻す。守備の安定から互いに古巣復帰を希望。監督も意向をくみ、掲げる守りの野球にベストと判断したようだ。

 イバアラを再びアライバに戻す。高木監督が「二塁井端、遊撃荒木」の布陣を、今季から「二塁荒木、遊撃井端」に改めることが確実になった。この日までに井端と荒木が電話会談。古巣に戻りたい思いが一致し、球団関係者を通じて監督に伝えられた。「本人たちがどこをやりたいかが問題。2人の話が合えば最終的に守りたい所を守った方がいい」。そう話していた指揮官も報告を受け、再コンバートを決断したようだ。

 井端と荒木はこの日、名古屋第一赤十字病院を慰問し、今年初めて顔を合わせた。4日に井端が遊撃復帰を熱望して勃発(ぼっぱつ)した入れ替え問題。井端はここ数日の間に荒木と連絡を取り、謝罪したことを明かした。

 「コンバートは僕の方が一方的に(報道陣に)言ったので謝りたかったんです」。だが実は、荒木も二塁復帰願望を持っていた。話はわずか数分で決着。あとは決定権を持つ高木監督に伝えるだけだった。

 二塁井端、遊撃荒木の隊形は落合前監督のもと、10年から実施された。荒木の方が守備範囲が広いとし、中前へ抜ける打球にも追いつけるとの考えからだった。ところが二塁でゴールデングラブ賞を獲得した04~09年、年平均9個だった荒木の失策数は、遊撃に移った10年が20個、11年17個とほぼ倍増。二塁に回った井端は逆に失策数が減ったが、体調不良などで出場機会が激減しての産物だった。

 ともに6年連続受賞してきたゴールデングラブ賞も、イバアラになった2年間は一緒に失った。落合前監督も引き続き指揮を執っていれば今季からアライバに守備位置を戻そうとしていたという。「守りの野球」で3連覇を目指す高木監督にとっても、要の二遊間のミス撲滅は重要課題。2人のモチベーションアップも考え、総合的にチームにプラスと判断したようだ。

 荒木は病院慰問後、ナゴヤ球場で合同自主トレに合流。室内練習場で3年ぶりとなる二塁守備位置につき、ノックを受けた。併殺プレーも含めて約20分間、古巣復帰の感触を確かめた。

 「優勝もしたし、この2年は失敗じゃない。苦しかったけど、(遊撃の経験で)前よりバージョンアップした守りができると思う。2月1日の監督発表がライトならびっくりしますけど」。笑顔の荒木に井端も「レフトならびっくりしますけど」と呼応。早速ピタリと合ったアウンの呼吸を披露した。鉄壁の二遊間復活で3連覇を頂く。【松井清員】

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