第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が3月6日から開幕! 2大会ぶり世界一を狙う侍ジャパンだが、参加国も有力選手で戦力を整え、頂点を目指す。現役バリバリのメジャーリーガーら各国のスーパースターを紹介する。


有名なモリーナ3兄弟の末弟

ヤディエル・モリーナ捕手 1982年7月13日、プエルトリコ生まれ。母国の高校を卒業し、00年ドラフト4巡目で指名されカージナルスに入団。04年6月に21歳でメジャー初昇格。守備とリード、フレーミング(際どいコースの投球を、審判にストライクとコールさせる技術)に定評があり、08年から8年連続ゴールドグラブ賞受賞、そのうち全ポジションの中でも最高守備に贈られるプラチナグラブ賞を4度受賞。09年から7年連続球宴選出。13年には自己ベストの打率3割1分9厘、80打点をマークし、初のシルバースラッガー賞を受賞。メジャーで有名な捕手3兄弟の末弟で、長男ベンジーはエンゼルスなど、次男ホセはレイズなどで活躍した。プエルトリコ代表については「若手とベテランがうまく混じった良いチーム」と自信。13年の第3回大会ではベストナインに選出された。180センチ、93キロ。右投げ右打ち。

プエルトリコのヤディエル・モリーナ捕手
プエルトリコのヤディエル・モリーナ捕手

ダル相棒、過去大麻所持で逮捕歴

ジオバニー・ソト捕手 1983年1月20日、プエルトリコ生まれ。米軍学校プエルトリコ分校を卒業し、01年ドラフト11巡目でカブスに入団。05年にカブスでメジャー初昇格。初めてメジャーに定着した08年に球宴選出を果たし、その年は自己ベストの打率2割8分5厘、23本塁打、86打点をマーク。12年途中にレンジャーズに移籍し、14年途中にアスレチックス、15年はホワイトソックス、昨季はエンゼルスに所属し、今季は古巣ホワイトソックスとマイナー契約を結んだ。レンジャーズ時代はダルビッシュ投手とバッテリーを組むことが多く、26試合組んで防御率2・83と、ダルビッシュが10試合以上組んだ捕手の中では2番目に防御率が良かった。14年には大麻所持のため逮捕という過去も。185センチ、102キロ。右投げ右打ち。

プエルトリコのジオバニー・ソト捕手
プエルトリコのジオバニー・ソト捕手

20本塁打以上14度

カルロス・ベルトラン外野手 1977年4月24日、プエルトリコ生まれ。母国の高校を卒業し、95年ドラフト2巡目指名でロイヤルズに入団。98年に21歳でメジャー初昇格。99年に打率2割9分3厘、22本塁打、108打点でア・リーグ新人王を獲得。7年目の04年6月にロイヤルズからアストロズへトレード、直後の7月に球宴初選出。05年にFAでメッツに移籍し、11年途中からジャイアンツ、カージナルス、ヤンキース、レンジャーズと7球団を渡り歩き今季再びアストロズに復帰。昨季は3年ぶり9度目の球宴選出。メジャー19年間で20本塁打以上14度。年齢的に守備力は衰えたが、06年から3年連続でゴールドグラブ賞を受賞。ポストシーズンに強く「新ミスター・オクトーバー」などと呼ばれた。185センチ、98キロ。右投げ両打ち。


プエルトリコのカルロス・ベルトラン外野手(写真は2014年4月)
プエルトリコのカルロス・ベルトラン外野手(写真は2014年4月)

スクリューの使い手

エクトル・サンティアゴ投手 1987年12月16日、米ニュージャージー州生まれ。フロリダ州の短大を卒業し、06年ドラフト30巡目で指名されホワイトソックスに入団。11年に同チームでメジャー初昇格。13年12月に三角トレードでエンゼルスに移籍、15年に球宴初選出を果たすが、リーグ最多の29被本塁打を記録した。16年8月のトレードで3球団目となるツインズに移籍し、この年は2球団で自己ベストの13勝(10敗)をマーク。速球は最速約96マイル(約155キロ)をマークし、スライダー、カーブ、チェンジアップのほか、現在のメジャーでは珍しいスクリューボールも持つ。1月に年俸調停を避け1年800万ドル(約9億2000円)でツインズと契約延長した。183センチ、98キロ。左投げ右打ち。

プエルトリコのエクトル・サンティアゴ投手(写真は2014年11月)
プエルトリコのエクトル・サンティアゴ投手(写真は2014年11月)

15年に新人王 映画出演も

カルロス・コレア内野手 1994年9月22日、プエルトリコ生まれ。母国の野球アカデミーで学び、12年ドラフト1巡目、全体1位で指名されアストロズに入団。中南米出身選手としてアレックス・ロドリゲス、エイドリアン・ゴンザレスに次ぐ3人目の全体1位指名だった。15年6月にメジャー初昇格し、この年は99試合出場にとどまったが、打率2割7分9厘、22本塁打、68打点、14盗塁でア・リーグ新人王獲得。将来のスーパースターとして大きな期待をかけられる中でそれに応え、昨年2月にはアディダスと5年間のスポンサー契約を結ぶ。同じプエルトリコ出身の偉大な選手ロベルト・クレメンテの生涯を描いた制作中の映画に出演することも発表されている。193センチ、98キロ。右投げ右打ち。

プエルトリコのカルロス・コレア内野手
プエルトリコのカルロス・コレア内野手

昨季大不振でマイナー降格も

エディ・ロサリオ外野手 1991年9月28日、プエルトリコ生まれ。母国の高校を卒業し、10年ドラフト4巡目で指名されツインズに入団。15年5月にメジャー初昇格し、1年目に13本塁打、50打点、リーグ最多の15三塁打を記録し新人王争いで6位の票を得た。だが2年目の昨季は序盤で大不振に陥り5月に一時マイナー降格となったことも。このオフには母国の冬季リーグでプレーし、2月上旬に行われた中南米の王者決定戦「カリビアンシリーズ」にも出場するなど、WBCまで休むことなく試合に出続けている。打撃に関しては優れた反射神経とバットコントロールを持つが、ボール球に手を出す癖も。守備能力は高く、15年には外野手でリーグ2位の16補殺を記録。185センチ、82キロ。右投げ左打ち。

プエルトリコのエディ・ロサリオ外野手
プエルトリコのエディ・ロサリオ外野手

06年WBC代表戦で感動

フランシスコ・リンドア内野手 1993年11月14日、プエルトリコ生まれ。フロリダ州モントバーレの高校を卒業し、11年ドラフト1巡目、全体8位で指名されインディアンスに入団。15年6月にメジャー初昇格。この年は99試合に出場、打率3割1分3厘、12本塁打、51打点で新人王選出では代表チームメートであるコレアと争いわずか15ポイント差で2位となった。2年目の昨季は球宴初選出。ゴールドグラブ賞にも初選出され、同賞受賞者の全ポジションの中で最高守備の選手に贈られるプラチナグラブ賞も受賞。まだ13歳だった06年に第1回WBCのプエルトリコ代表戦を球場で観戦し感動した思い出があり、初出場の今回は「国を代表するのが夢だった。特別な経験になる」と闘志に燃えている。180センチ、86キロ。右投げ両打ち。


プエルトリコのフランシスコ・リンドア内野手
プエルトリコのフランシスコ・リンドア内野手

リーグ優勝決定SでMVPに

ハビエル・バエス内野手 1992年12月1日、プエルトリコ生まれ。05年に家族で米国に移住し、フロリダ州ジャクソンビルの高校を卒業。11年ドラフト1巡目、全体9位で指名されカブスに入団。マイナーに所属していた13年に招待選手としてメジャーのキャンプに参加し、オープン戦2試合、5打席で4本塁打を放っており、そのうち1試合がWBCで決勝ラウンドまで進出してきた侍ジャパンとの練習試合だった。14年8月にメジャー初昇格。3年目の昨季、メジャーでほぼフルシーズンを過ごし、打率2割7分3厘、14本塁打、59打点、12盗塁をマーク。ポストシーズンは全試合を二塁スタメンで出場し、ドジャースとのリーグ優勝決定シリーズでは打率3割1分8厘、5打点でシリーズMVPに選ばれた。183センチ、86キロ。右投げ右打ち。


プエルトリコのハビエル・バエス内野手
プエルトリコのハビエル・バエス内野手

球種多彩!カーブが武器

セス・ルーゴ投手 1989年11月17日、米ロサンゼルス生まれ。ロサンゼルスのセンチュリー短期大学を卒業し、11年ドラフト34巡目で指名されメッツに入団。マイナーに所属していた12年に脊髄の手術を受けて1年を棒に振ったが克服し、順調に昇格を続けて昨年7月1日のカブス戦でメジャーデビュー。フォーシーム、ツーシーム、カッター、スライダー、カーブ、チェンジアップを使った多彩な投球で、1年目の昨季は5勝2敗、防御率2・67と安定した投球を続け、チームの信頼を得た。特にカーブが大きな武器で、データ解析システムSTATCASTの記録によると昨年8月にメジャーで最も回転数の多いカーブを投げた投手となった。米国内で生まれ育ったがプエルトリコにルーツがあるため、代表入りを決断。193センチ、102キロ。右投げ右打ち。

セス・ルーゴ投手
セス・ルーゴ投手

アマFAから地道昇格

T・J・リベラ内野手 1988年8月27日、米ニューヨーク州生まれ。アラバマ州のトロイ大卒業。ドラフトにかからず、11年にアマチュアFAとしてメッツと契約しプロ入り。ほとんど期待されない立場からのスタートだったがマイナーで常に高い打率を残し、16年開幕に3Aラスベガスからスタートし、打率3割5分3厘でパシフィックコーストリーグ首位打者に輝いた。同年8月にメッツ内野陣から故障者が続出したため、メジャー初昇格のチャンスを獲得し、昇格後は33試合に出場、打率3割3分3厘をマーク。9月以降はほぼ二塁レギュラーとして起用された。母方の祖父母がプエルトリコ出身であるため、WBC代表に初選出。ブロンクス出身で、少年時代は地元に本拠地があるヤンキースのファンだった。185センチ、93キロ。右投げ右打ち。

T・J・リベラ内野手
T・J・リベラ内野手