セミファイナルのONEアトム級(-115ポンド=約52.2キロ)ムエタイ世界王座戦で王者の吉成名高(25=エイワスポーツジム)が2回58秒TKOで挑戦者のリファディン・マスドール(23=マレーシア)を下し、2度目の防衛を果たした。吉成はこれで連勝を驚異の「43」に伸ばした。

吉成は1回に相手の左フックをかわしながらコンパクトな左ストレートを当ててダウン奪取。2回にはマスドールのバックブローに合わせて左ハイキックを顔面にたたき込んでTKO勝ちを果たした。

この試合はマスドールが計量を失敗していたため118.6ポンド(約53.8キロ)契約で行われ、勝敗に関わらず王座は保持される取り決めだったが、吉成が格の違いを見せつけた。

吉成は試合後の会見で「相手選手もすごく強くて、自分も被弾するシーンがあって、見てる方も『ちょっと名高、大丈夫か?』っていう矢先の一撃だったんで。すごく見てる方は盛り上がったと思うし、自分自身も本当に狙ってた技で倒せたので、本当にうれしかったです」とニッコリ。ゴング直後にマスドールがハイキックの空振りからそのまま回転してバックハンドブローを放つ奇襲を仕掛けたことが逆に吉成の頭にインプットされ、その攻撃にハイキックを合わせることができたと説明した。

文句なしの劇的KOで会場を熱狂させた吉成には、待望の初パフォーマンス・ボーナス1500万円が贈られた。吉成は「エイワスポーツジムの選手が良い試合をしてボーナスを取っていく中で、自分だけ『ノーボーナス名高』って呼ばれてたんで(笑い)」とメディアを笑わせ、さらに記者から「今乗っているすごい車がもう1台買えてしまうのでは?」と聞かれると「自分、車はすごい好きなんですけど、ちょこちょこぶつけるんで(笑い)。ちょっと保険が高くて。なので保険をしっかり払いたいと思います」と会見場を和ませた。

ONEのチャトリ・シットヨートンCEOは、メインイベントで秋元皓貴に勝利したジョナサン・ハガティーとともに吉成のパフォーマンスを絶賛。「ONEチャンピオンシップは世界で一番のプロダクト(商品)をお届けしています。世界一の格闘家はONEにいます。名高選手とハガティー選手は、世界トップ・オブ・トップ、パウンド・フォー・パウンド、ベストの選手の2人ですね」などと絶賛。改めて将来的な那須川龍心とのキックボクシングルールでのビッグマッチについても言及した。

そんな吉成は今後の目標について「今回、見てる方も、ムエタイの試合って面白いなと思ってもらえたと思いますし、レベルの高さっていうのもすごく伝わったと思うので。もっともっと自分も力をつけないと、いずれ超えられてしまうっていうような危機感も感じた試合だったので、もっともっと練習して不動のチャンピオンでいたいと思います」と誓った。