WWEのスマックダウン(SD)で活躍する中邑真輔(41)が今、王冠を頭に乗せてリング内外で躍動している。
5月14日のSD大会で負けた腹いせにキング・コービンから王冠を強奪。まるで愛称「キング・オブ・ストロングスタイル」の“象徴”のようにリング内外で装着し、話題になっている。あの王冠は何? 「WWEの世界」の第5回は、中邑が強奪した王冠を紹介する。
◇ ◇ ◇
中邑がかぶる王冠は「キング・オブ・ザ・リング」と呼ばれるWWEのトーナメント戦覇者のあかしだ。19年8月~9月に開催された同トーナメントで出場16選手から勝ち上がって優勝したコービンがキングの称号としてガウン、つえ、玉座とともに王冠を手にした。この「キング・オブ・ザ・リング」は93年から02年まで人気PPV興行の1つだった。85年に第1回大会が開催され、00年にカート・アングル、02年にブロック・レスナーが優勝。副賞として王座挑戦権が付与される時期もあった。
この王冠、ガウン、つえ、玉座というコスチュームで「国王」を名乗ったことで有名なのは、06年覇者のブッカーTだ。リングネームもキング・ブッカーに変更。王冠、マントで装いながら、WWE世界ヘビー級王座も獲得。王冠とベルトをそろえてみせた。その後、10年大会覇者シェイマスがキング・シェイマス、15年大会覇者ウェイド・バレットがキング・バレットと一時的にリングネームにキングを入れ、ブッカーTに続いた。
19年覇者バロン・コービンも追随し、キング・コービンとなってリング内外でヒール風な「国王」として暗躍している。新日本プロレス時代から「キング・オブ・ストロングスタイル」と言われた中邑ではあるが、王冠をかぶるのは“反則技”と言える。しかしWWEファンの注目度は高い。
レスラー仲間のリック・ブーグスの生演奏ギターで入場曲「ザ・ライジング・サン」に合わせ、中邑が王冠をかぶって姿をみせると、スタンドのリモート画面で観戦するファンからの反響は大きい。さらにリング外でも、SNSなどで「王冠をかぶりながらシリーズ」として王冠を装着しながら新型コロナウイルスのワクチン摂取やドライブ、サーフィン、空手道場でのけいこなど、リング外でも王冠をフル活用している。
最近ではWWEの番組ザ・バンプにリモート出演した時も王冠を装着。SNSでは、ファンからも「いつも中邑が王冠をかぶっている。なぜなら彼がキング・オブ・ストリングスタイルだからだ」と受け入れられている。2年近くも「キング・オブ・ザ・リング」が開催されていないが、中邑の王冠強奪を契機に伝統のトーナメントを思い出した人も多くいただろう。
今年に入ってWWEの最高位王座(WWEヘビー級王座、WWEユニバーサル王座)の奪取を目標に掲げた中邑。最高位ベルト奪取を前に、王冠に新しい「価値観」を吹き込み、まずはキングとしての存在感を高めている。【藤中栄二】

