ノアの丸藤正道(41)がGHCヘビー級王者、武藤敬司(58)を破り、新王者に輝いた。
前哨戦同様、相手得意の足4の字固めに何度も苦しんだ。「武藤さんの足4の字は、太さ、長さ、関節の固さとかで本当に窮屈。足が逆に曲がりそうな感じがする」と話していたほど強烈な足技にまたしても身動きが取れなかったが、対策を練っていたことで、今回は何とかロープに回避した。
その後もフランケンシュタイナーを浴びるなど、劣勢な展開が続いたが、わずかなチャンスをものにした。終盤、コーナーからのムーンサルトを決められた瞬間、武藤が膝を痛めたのを見ると「勝負だった」と逆襲をかけた。連続の膝蹴りでよろけさせると、虎王・零で3カウントを奪った。「やっと丸藤ここにあり、というのを見せられたかな」と笑みを見せた。
試合には勝ったが、内容には満足していない。「8割くらい押されていた」と強さを認めた。15年12月以来のヘビー級の頂点。前回は防衛できずに敗れた。「最後まで諦めなかった。次はすぐに負けないようにしっかりと防衛したい」と意欲を見せた。ノア、DDT、東京女子、ガンバレ☆プロレスの合同興行。ノアの副社長だが「武藤さんとの大一番だから気にしていられなかった」と語るほどタイトルマッチに集中していた。
2月に加入した武藤の存在は、丸藤にとってもノアにとっても大きなものだった。「刺激にならない方がおかしい」と明かす。周囲からは「58歳が頂点に立っていていいのか」と言われることもあるが「試合を見てもらえれば、この人すごいなと分かる」と話す。この日、実際に勝利しても「武藤敬司を何一つ超えられたと思っていない」と語るほどだ。若手も含め切磋琢磨(せっさたくま)する現状を「今までのノアの歴史としていい状態。武藤のすごさも、若手ののいい部分も一緒に伝えられる」と手応えを口にした。
最後に団体を引っ張る立場として「合同開催で刺激を受けたし、サイバーファイトがNo・1を取れると確信した」と力強く語った。自分たちの力だけではない。「十何年きつい状況が続いた中、周りの人が支えてきてくれた。ノアに居続けたことで、助けてくれる人が出てきて、ここまで来た。確実に前進している」。トップを目指すため、常に他団体を意識する。「上に行けないのは悔しいと感じる。2番でいいと思っているならやる必要ない」。ヘビー級の頂点に立った丸藤が、今度はノアをプロレス業界の頂点に押し上げる。【松熊洋介】

