挑戦者の同級2位・矢吹正道(32=LUSH緑)が3度のダウンを奪う9回TKOで938日ぶりの世界王座奪還を果たした。
王者シベナティ・ノンシンガ(25=南アフリカ)と息詰まる主導権争いから8回終了間際に連打でダウンを奪い、9回も2度のダウンで1分50秒、レフェリーが試合を止めた。矢吹は今後、同級の防衛戦はしないと明言し階級を上げるか、世界王者のまま引退を示唆した。
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1回の一瞬の交錯が明暗を分けた。ノンシンガの速い左ジャブに、矢吹がかぶせるように右クロスを決めた。このパンチで王者は踏み込めなくなり、手数が減り、本来のボクシングができなくなった。王者がちゅうちょしているところに矢吹は左ジャブをコツコツと当てて勝機を引き寄せた。
ペース掌握後も矢吹は無駄打ちをせず、カウンターを警戒しながら、左ジャブを当て続けた。手数こそ多くはなかったが「左、左、ワンツー」という基本に徹した戦い方を貫き、最後に右ストレートで倒した、作戦通りの展開だった。
以前の矢吹にはチャンスがあればラフに攻めていくイメージがあったが、今日はそういう場面でも我慢して無駄打ちをしなかった。パンチもほとんどがワンツーだけ。それで倒し切ったのはすごい。見事な復活劇だった。
ライトフライ級には13日にWBO王座決定戦に臨む同級1位の岩田翔吉(帝拳)ら強い選手が続々出てきている。4団体の王座を独占しているバンタム級のように、複数の日本人王者が君臨する可能性がある。矢吹を軸に日本人同士の統一戦が期待できる階級になりそうだ。(元WBA、WBC世界ミニマム級王者)

