イラッとしたら6秒待とうという話をしました。6秒待つためにはどうすればいいのか、いくつかのテクニックがあります。

 ひとつはその場でイラッとしたことを手のひらに指で書いてみることです。手のひらに書くことがポイントではなく、体を使って待つ癖をつけることが目的です。慣れれば体を使わなくても6秒待つことができるようになりますが、初めは体を使って待つ癖をつけるわけです。手のひらに指で書かなくても、手をグーパーするだけでも構いません。

 もうひとつは、以前、紹介した怒りの温度計です。怒りの感情がコントロールしにくい理由は目に見えないからです。数値を使うことで目に見えるようにする。温度計はつけ続けていくと、自分が本当のところ、どのくらい怒っているのか分かるようになります。

 体と温度計を使って、一番怒りが強い最初の6秒をやり過ごし、絶対やってはいけない反射的な言動を避けるのです。

 このほか、自分に向かって気持ちの落ち着く言葉を投げかける「コーピングマントラ」というテクニックもあります。コーピングは対処するという意味で、マントラは呪文です。呪文は「大丈夫、大丈夫」でも「どうってことない」でも「何とかなる」でもいいです。子どもやペットの名前でもいいと思います。気持ちが落ち着く言葉をつぶやいてみて下さい。

 もう1つは「ストップシンキング」です。イライラしているときに考えてもうまくいきませんし、どうかすると悪い方に解釈してしまいます。頭の中に真っ白な紙をイメージし、それだけを見る。いずれも衝動をコントロールするためのテクニックです。