人類の歴史は、ウイルスとの闘い。あらゆるウイルスにさらされながら、生きてきました。紀元前1100年代、第2エジプト王朝のラムセス5世のミイラには、天然痘の痕跡が認められています。古代ギリシャでも、ローマ帝国でも、天然痘の記録が残っています。

麻疹(ましん=はしか)や流行性耳下腺炎など、ウイルスが原因になる感染症はとても多いのです。そのために、人間には自然免疫というものが作られています。麻疹に1度かかると抗体ができて、2度と麻疹にはかからない。これは獲得免疫です。

今、新型コロナのワクチン接種が進められていますが、これは抗体を作るためです。獲得免疫力を上げるために、ワクチンが必要なのです。ワクチン接種の順番が回ってくるまでしばらくの間は、自然免疫力を高めておくことが大切です。

<1>朝、太陽に当たること。サーカディアンリズム。免疫を強化してくれます。太陽に当たることで、幸せホルモンのセロトニンが作られます。コロナ鬱(うつ)の予防にもなります。

<2>運動。お勧めの運動については、この連載でたっぷりお伝えします。

<3>免疫の中枢は腸。その腸にいい、野菜と発酵したものを食べる。ヨーグルトやチーズや納豆です。

自然免疫をバカにしてはいけません。ワクチンは、重症化を防いではくれますが、感染を完全に防いでくれるわけではありません。新型コロナウイルスが終息するまでは、自然免疫力もどうしても必要なのです。

◆テレビ、ラジオでもおなじみの医師で作家の鎌田實氏が、長引く新型コロナウイルスの感染症との付き合いで、私たちにできること、いかに困難と向き合っていくか、じっくりとお伝えしていきます。