■抗重力筋に注目

コロナとの闘いが長期戦になってきて、フレイル(虚弱)とコロナ鬱(うつ)が目立ち始めています。

地球の重力に対抗して、姿勢を保つために働く筋肉を抗重力筋といいます。抗重力筋が衰えると、立ったり座ったりといった日常の正しい姿勢を保つことが難しくなります。

腹筋や背筋、首の力や足の力を弱らせないようにしましょう。背筋をピンと伸ばして姿勢を正し、おなかをへこませて歩くと、抗重力筋が強化されていきます。幸せホルモンといわれているセロトニンも、抗重力筋と関係しています。

ドローイン歩行も効果的です。ドローインとは「引き込む」という意味です。ウオーキングよりも負荷が高く、体の奥にある体幹を鍛えることができます。メタボを改善し、無理のないシェイプアップにおすすめです。

【ドローイン】

<1>両手を上げて、手のひらを頭上で真っすぐに合わせる(街中では手を上げなくていい)。

<2>鼻から息を大きく吸い込み、おなかをへこませる。

<3>おなかをへこませたまま、口から息を吐き出す。

<4>おなかはへこませた状態のまま、側腹筋に意識を向けて5分歩く。

このドローイン歩行は、メタボ対策だけでなく、セロトニンが分泌されるため、コロナ鬱の対策にも効果的です。

◆テレビ、ラジオでもおなじみの医師で作家の鎌田實氏が、長引く新型コロナウイルスの感染症との付き合いで、私たちにできること、いかに困難と向き合っていくか、じっくりとお伝えしていきます。