■今こそ優しい行動を!

ハーバード大学は、50歳以上の約1万3000人を4年間追跡調査しました。その結果、ボランティア活動に全く参加していなかった人よりも、年間100時間以上(週換算で2時間以上)参加している人は、死亡リスクが44%低く、年間50~99時間参加の人も、28%低かったのです。

助け合うということは、他者との絆を深め、やりがいや幸福感をもたらしてくれます。相手の身になることは、困難に打ち勝つ力にもなるのです。

今はコロナ禍で、人との距離をとらなければなりませんが、身近な人たちや社会のために、今何ができるのか考えてみましょう。

■寄付文化の広がり

日本は寄付文化がないと言われてきました。個人寄付のデータによると、日本人1人あたり年平均2万7000円、23%の人が寄付をしています。

しかしコロナ時代になって、寄付が増えています。ぼくが代表をしているJIN-NETのチョコ募金は、前年に比べ1カ月も早く完売しました。

1カ月3000円寄付をすると決めている人がいました。クラウドファンディングのサイトを見て、一番応援したいところに寄付をするといいます。年間3万6000円寄付をすると、税金が1万7000円還付されます。社会貢献は、お金持ちが税金対策のために行うものではなく、庶民も簡単にやれるのです。

とりあえず、ほんの少し相手の身になる練習をしてみてはいかがでしょうか。

◆テレビ、ラジオでもおなじみの医師で作家の鎌田實氏が、長引く新型コロナウイルスの感染症との付き合いで、私たちにできること、いかに困難と向き合っていくか、じっくりとお伝えしていきます。