■性的つながりはコロナ鬱(うつ)を減らす

新型コロナウイルスによって、鬱や孤独を感じている人が増えています。

アメリカのインディアナ大学の研究で、18~94歳の米国成人約1000人を対象にオンライン調査を行ったところ、対象者のおよそ3分の1に鬱症状と孤独感が認められました。

頻繁な対面によるつながりは、鬱症状や孤独感の低下との関連が認められたものの、リモートによるつながりではこの関連は認められませんでした。対面による社会的および性的なつながりを維持した人では、メンタルヘルスの良い結果が得られました。

■ペットはストレスを減らす

東日本大震災の時も、ペットを飼っている人に鬱が少なかったと言われています。犬や猫をなでると、オキシトシンという愛情ホルモンが出て、幸福感を感じ、心の孤独感を減らしてくれます。

ソーシャル・ディスタンスが求められる中、リモートでなんとか心をつなぐ努力をしていても、やはり実際に会うことも大事だということです。

また、ボランティア活動への参加は、自分自身の生活を豊かにし、幸福感を獲得でき、孤独・鬱・絶望から自分の身を守ってくれるという研究結果もあります。

コロナとの闘いが長期戦になり、15~30%の人が鬱傾向にあるというデータもあります。国民総鬱状態にならないためにも、マスクをつけてのおしゃべりや、性的つながり、そしてボランティア活動などが大切だと思います。

◆テレビ、ラジオでもおなじみの医師で作家の鎌田實氏が、長引く新型コロナウイルスの感染症との付き合いで、私たちにできること、いかに困難と向き合っていくか、じっくりとお伝えしていきます。