■絵本好きなオシャレな中年男性

絵本は、人生の中で3回読むと言われています。子どもの時。親になって子どものために読む時。人生の晩年、自分のために読む時。

中高年になって、本を読むのが少し面倒になり、ふと絵本を開いてみたら、人生の機微がわかっているからこそ深く行間を読める。チャレンジしてみて。

■中年男性と絵本

「100年たったら」(アリス館)。何度読んでも、じわっと涙腺を刺激する絵本です。

草原に、ライオンと一羽の傷ついた鳥。「私を食べてもいいよ」と鳥がいいます。「俺は虫と草しか食べないんだ」とライオン。鳥はライオンの胸の中で眠るようになり、やがて転げ落ちます。「私もう行くよ」と鳥。「こんな夜にどこに行くんだよ」とライオンは泣きます。「また会えるよ」「いつ?」「100年たったら」…。100年たったら、ライオンは岩場にはりつく貝に、鳥は海の波になっていました。ロマンチックです。

「空の飛び方」(光村教育図書)は、肥満気味のペンギンが、空を目指す物語。ある日奇跡が起きます。

「かべのむこうになにがある?」(BL出版)。傑作です。壁の向こうには闇がある。壁があるから攻められない、などと思いこんでいる人々。でも実際の壁は、心の中にできていたという話です。

コロナ禍で再びベストセラーとなっている、ミヒャエル・エンデの童話「モモ」。時間泥棒の話です。コロナでぼくたちも豊かな時間を奪われ出しています。夢や希望を見いだす絵本や童話を、今こそ読んでみませんか。

■テレビ、ラジオでもおなじみの医師で作家の鎌田實氏が、長引く新型コロナウイルスの感染症との付き合いで、私たちにできること、いかに困難と向き合っていくか、じっくりとお伝えしていきます。