■自由だからこそ面白い

「遊行期」は人生の晩期に訪れるステージですが、その自由な精神を、いつの時期の人でも意識すると、もっと魅力的な生き方ができるようになるのです。

たとえば「家住期」まっただ中のビジネスパーソンが、既成概念を取り払ってチャレンジすることで、新たな展開が生まれる可能性があります。

■若い頃から遊行的だった

ぼくは高校のとき、よく学校をサボって映画館へ行き、大好きな映画に浸っていました。遊行の精神があったように思います。

大学卒業後、ぼくひとり都内を離れて地方の名もない病院に赴任しました。遊行そのものです。病院が有名になったころ、チェルノブイリの放射能汚染地域へ支援に入りました。今思えば、家住期。家住期まっただ中で遊行の精神を持っていたように思います。誰かのために何かをしたいという気持ちが強かったのです。

■利己的と利他的のバランスが大事

遊行を意識すると「我」や「執着」といったものからも少しずつ自由になることで、利己的と利他的をごちゃまぜにして生きていくこともできます。それは生きやすい人生をつくるのに欠かせないことです。

「70歳、人生はもっと楽しくなる」(だいわ文庫)がこのほど出版されました。「遊行期」にさしかかり、もっと自由に生きられるのだと思ったら、とても気持ちが楽になりました。

人生は長く、短い。だからこそ人生を楽しみたいものですね。