佐藤輝明、森下翔太の「飛車角」が戻ってもDeNAに傾いた流れは変えられなかったということか。激戦の末、逆転負けを食らっての4連敗だ。悲願のリーグ連覇をはたしたシーズンで日本シリーズ進出することは消えたのである。
虎党の中に、いろいろな思いはあるかもしれない。例えば佐藤や森下がこれだけやれるのなら、なぜフルに出られなかったのかという疑問も、正直、あるのではないか。それでも休養を取ったからこそ復活したのかもしれないし、そこは本人、チーム内でしか分からないことだろう。
「どれだけできるのかっていうのは彼らの言葉を信じるしかないので。難しいことを本人たちから聞き、トレーナーを含め全員で判断して…」。この部分について指揮官・藤川球児はそう説明した。
147試合、ここまで戦って誰も責めるつもりはないが、あえて言えば油断のようなものはあったかもしれない。今月8日、シーズン最後のヤクルト戦を終え、あいさつした球児の話から少しだけ感じていた。
「ソフトバンク」「悔しさを晴らす」という言葉を聞きながら「まだCSがあるけど」と思っていたのは事実だ。それでも昨年は圧勝したCSである。飛車角が普通に出ていれば、状況は違っていたと思うし、そこも何とも言えない。
それにしても、ここで敗退とは。なんとも悔しいし、切ないけれど、これまでがうまくいき過ぎていた感もあるのだ。就任1年目で圧勝の優勝から初のリーグ連覇。球児にすれば、ここで初めて頭を打たれたという感じだろうか。
「応援していただいた皆さんに申し訳ない。その一言です。選手はよく頑張ってくれました」。球児はそうも話した。こちらの記憶が正しければ、この2年間で負けて謝罪するのは初めてのような気もする。
来季はさらに厳しくなるはずだ。確証は持っていないが佐藤が大リーグに流出する可能性は高い。球団関係者といろいろ話しているが三冠王を取り、リーグ連覇に貢献した功労者を引き留めることは難しいのでは…という感触を得ている。
森下にしても、いつかそうなるかもしれない。大事なのは次、またその次という体制を整えることだ。簡単ではないし、阪神だけの課題でもない。それでもそれをしていかなければ先はないのだ。球児の3年目はそこも重要と思っている。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




