慶応が県内43連勝中の横浜を破り、10年ぶり6回目の優勝を決めた。

森林貴彦監督(53)は「(横浜)はイメージ通り素晴らしいチームでした。両チームともミスなく締まった試合になっていたら、ウチに勝ち目はなかったと思います。秋のチームらしく、お互いにミスが出る中で、接戦に引きずり込めたことが1つの勝因だったかもしれません」と、振り返った。慶応の失策は3、横浜は2。ミスがある中でも、1歩も引かず真っ向勝負した。

準決勝の東海大相模戦に続き、二刀流の渡辺英亜内野手(2年)が、投打で躍動した。1点ビハインドで迎えた5回。打席に入った渡辺は狙い通りの内角直球をフルスイングすると、打球はレフト芝生席を越え場外へ。一時逆転となる左越え2ラン本塁打。東海大相模戦でも一時同点となる場外ソロ本塁打にサヨナラ打と大当たり。「素直にうれしい。前回のホームランよりも、今日の感触の方が良かったかもしれません」と納得の一振り。6回途中からは3番手としてマウンドに上がり、横浜打線の反撃も封じた。森林監督も「素晴らしかった。ここで覚醒してくれたらいいですね」と、さらなる飛躍を期待した。

「横浜の連勝を止めるのは自分たちしかいない」と渡辺。その準備はできていた。今夏、準決勝で横浜に敗戦。横浜の織田翔希投手(3年)ら3投手の前にチームはわずか1安打と手も足も出なかった。

新チームは練習から横浜を基準に練習に取り組んだ。「打撃も投球も基準を高く設定。横浜さんのレベルを意識して練習してきました」。打撃マシンを速く設定し、目を慣らし打ち込んだ。「球速に対する怖さもなくなり、今日も練習通りプレーできました」と、その成果を発揮。2試合連続で場外に放り込むパワーも見せつけた。

相手は県内の連勝記録43に4季連続甲子園出場の絶対王者。それでも渡辺は「相手を過剰に捉えることなく、同じ高校生だから1人1人勝負しよう、と思って投げました」と、勝負した。今秋のチームの目標は「関東制覇」。渡辺は「自分たちのモットーである、慶応らしいエンジョイベースボールを貫き、結果として関東制覇を達成できればと思います」と、力を込めた。