「ショータイム」に誘われ、いざ南カリフォルニアの旅へ-。大リーグは20日、韓国・ソウルでのパドレス-ドジャース戦で開幕する。今季は大谷翔平投手(29=前エンゼルス)と山本由伸(25=前オリックス)のドジャース移籍で、ナ・リーグ西地区が活気づく。ド軍を含め3球団がカリフォルニア州に本拠地を置いており、時間が許せばレンタカーでの観戦旅行も可能。コロナ禍を経て表情を変えつつあるライバル球団のホーム事情などを、日刊スポーツ通信員でLA在住25年、米西海岸にも詳しい千歳香奈子さんに聞いた。【取材・構成=中島正好】
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24年の大リーグはナ・リーグ西地区が熱い。同地区で昨季プレーした日本人メジャーはパドレスのダルビッシュ有投手(37)だけだが、今季はドジャース山本とパドレス松井裕樹投手(28=前楽天)が海を渡り、大谷も山本と同僚になる。ほかにも、2010年代だけで3度世界一に輝いた名門ジャイアンツ、昨季ナ・リーグを制したダイヤモンドバックスも所属する。
(1)ロサンゼルス(LA)
この4球団は、ド軍の本拠地LAから半径約600キロ、東京-岡山に相当する圏内に集まる。日本からのファンが足を伸ばすことも予想され、注目度が高まっている。千歳さんは「コロナ禍を経て、街の様子も変わりつつあるようです」と、現地の最新事情を解説した。
(2)サンディエゴ
パドレスの本拠地。美しい街並みの港町で、カリフォルニア州第2の都市。動物園など世界的にも有名な文化施設も充実する。球場は繁華街から徒歩圏内。ド軍とは現地で2カード計5試合あり、1試合に日本人4人がすべて出場の可能性もある。「LAからは車で2時間強。海岸沿いからの眺めも最高で、快適なドライブコースです。メキシコ料理もおいしい」。
(3)サンフランシスコ
ジャイアンツの本拠地。米西海岸を代表する観光都市は、コロナで大きな打撃を受けた。グーグル、アップルなどの巨大IT企業が集まるシリコンバレーへの通勤圏だが、リモートワークが推奨され、多くの社員が高額な家賃を敬遠して街を離れたという。中心部では現在も空き店舗が目立ち、治安も悪化して世界的コーヒーチェーンが周辺の店を閉じたほどだ。人気観光地フィッシャーマンズワーフも「名物の屋台も露店も数えるほどで、寂しい光景でした」と活気がない。それでも「おいしいお店が多い」と「食の都」は健在で、ITオフィスにも社員が戻り始めているという。
(4)フェニックス
ダイヤモンドバックスの本拠地で、現在はMLB球団が周辺エリアで春季キャンプで開幕前の調整を続ける。急発展を遂げ、人口急増により地価上昇もめざましい。一方で砂漠を開発した街だけに、年間を通じて暑い。4~10月の平均最高気温は30度を超え、昨年は最高気温43度超えが1カ月ほど続いた。「転倒してアスファルトに肌が接触するとやけどします。それが理由で、救急車の出動回数が記録を更新したそうです」。空調が整う開閉式ドーム球場だけに観戦の支障はないが、日中に出歩く際は熱中症対策を忘れずに。
ナ西地区勢では、ロッキーズの本拠地デンバーのみLAから約1600キロと遠い。飛行機で約2時間半。
(5)アナハイム
カリフォルニア州には、ア・リーグ2球団も本拠地を置く。大谷が昨季までプレーしたエンゼルスの本拠地は、LAの隣町。元祖ディズニーランドの「総本山」として有名だ。毎年恒例の交流戦「フリーウエーシリーズ」では、9月3、4日にド軍を本拠地に迎える。大谷加入でド軍の本拠地チケットはさらに入手難の気配だが、エ軍のチケットはお手頃価格になっている。
(6)オークランド
アスレチックスの本拠地は、サンフランシスコの対岸にある。両都市は鉄道で約30分だが、人気のジ軍とは対照的に不入り。昨季の1試合平均観衆は辛うじて1万人を超えたものの、2年連続で30球団ワーストだった。球団はついに今季限りでの撤退を決めた。現球場は、大リーグでは唯一とされる鳴り物入りの応援風景が名物。大谷がメジャー初安打と同初勝利を挙げた思い出の地も今年で見納めとなれば、足を運ぶ価値あり? 今年は8月2~4日にド軍3連戦がある。
(7)ラスベガス
ア軍が移転するのは「眠らない街」、世界有数のギャンブルタウン。新球場はカジノが立ち並ぶ一角に、28年開場予定だ。
■「ショータイム」堪能&LA周辺の観戦プラン
24年のドジャースは本拠地で2カード6連戦以上が11回ある。LAと周辺でのお勧め観戦プランを紹介する。
◆NBA観戦も(4月10~17日) バスケットボールのNBAとは4月上旬のみ公式戦日程が重なるチャンス。LAでは10日にレイカーズ八村のウォリアーズ戦がある。ただ、レ軍の公式最終戦でチケットは最安でも240ドル(約3万6000円)以上から。完売の可能性もあり早めの予約が必要。ド軍は12日からパドレス&ナショナルズとの計6連戦。日程と資金に余裕あれば滞在を延ばし、19日からのメッツ3連戦では、開幕負傷者リスト入り濃厚な千賀の登板は微妙だが、藤浪との日本人対決が見られるかも。
◆カリフォルニア3都市巡り 5月は本拠地6連戦に挟まれる日程で、10~15日にサンディエゴ(パドレス)、サンフランシスコ(ジャイアンツ)遠征がある。3都市は州間高速5号でほぼ真っすぐ移動できるが、新緑の美しい[5]カリフォルニア海岸国立記念物沿いなどをドライブするルートも一興あり。ホームに戻った同16日レッズ戦は、先着入場4万人にド軍で初の大谷ボブルヘッド(人形)が無料配布される。
◆長期滞在(8月19日~9月11日) ホーム9連戦(休養日含む)から始まり、ともにビジターでのDバックス4連戦とエンゼルス2連戦を挟み、ホームでガーディアンズ&カブスとの計6連戦で締める計21試合、3週間超の滞在。見どころは大谷が古巣本拠地に戻り、エンゼルスタジアム100号とア・リーグ全15球団アーチなるか。前半はア・リーグ勢との交流戦、最後はカ軍鈴木、今永との対決。8月28日オリオールズ戦では、同4万人に大谷ボブルヘッドが無料配布。
■千歳さんお勧め西海岸周辺人気スポット
サンフランシスコの東には、巨大な岩壁ハーフドームで知られる[1]ヨセミテ、その南東に巨木が有名な[2]セコイア・キングキャニオン、その東には[3]デスバレーと人気の国立公園が集まる。デスバレーは映画「スター・ウォーズ」をほうふつさせる砂丘とドライレイク(湖底が露出した砂漠)などの光景が広がる。世界最高気温56・7度を記録したこともあり、夏の訪問時には要注意。フェニックスの北にはパワースポットの聖地[6]セドナ、さらに北には世界遺産の[4]グランドキャニオンがある。LAへの高速道沿いには、砂漠地帯に奇岩奇樹が景観をなす[7]ジョシュアツリー国立公園、リゾート地の[8]パームスプリングズでは有名ゴルフコースでプレーが楽しめる。
そして大谷の後輩、高校通算140本塁打の佐々木麟太郎内野手(18=花巻東)は今年から西海岸を代表する名門[9]スタンフォード大に進学。同大はサンフランシスコから南東に約50キロ、シリコンバレーのエリアにある。平日は広大なキャンパスを見学できるツアーが開催され、運が良ければ野球部の練習も見られるかもしれない。



