【フェニックス(米アリゾナ州)8日(日本時間9日)=四竈衛】王者ドジャースの連敗が、ギリギリの攻防の末、7で止まった。1-1の同点で迎えた延長10回2死一、三塁から、「1番DH」で出場した大谷翔平投手(31)が、勝ち越しの一塁内野安打を放ち、辛くも逃げ切った。
7月30日以来、9日ぶり、今月初の「勝利の儀式」に、大谷は満面の笑みを浮かべて加わった。自らの勝ち越し打で挙げた1点を守り切って、ようやく白星をつかんだ。「常勝」と言われるド軍にとって、あらためて勝つことの難しさと喜びを、再認識させられる1勝だった。「タフな一戦だった」。試合後のロバーツ監督は、ため息交じりに本音を明かした。
勝利でひと息付く以前に、課題が浮き彫りとなる8月1勝目だった。7回までは無得点。前日は5回まで無安打と、序盤は淡泊な攻撃の繰り返しだった。上位だけでなく、下位打線も難球に手を出し、淡泊な打撃を続けた。たとえ結果がアウトでも、粘り強く、クオリティーの高い打席が続けば好機はつかめる。「攻撃陣はしっかりしないと。我々はもっと一体となって生産的にならなくてはいけない」。ロバーツ監督の現状分析は、勝者の言葉からかけ離れていた。
ただ、敵地でプレーオフのような緊張感の中、大接戦を制した意義は小さくない。同監督は「我々はもっとよくなれるし、その能力はある」と力を込めた。今回の連敗脱出で、ド軍が本気で目覚めたのであれば、それも後々、必要な過程だったと思い起こせるに違いない。
○…左ヒザ痛で投球練習を回避していた大谷が、この日の試合前、グラウンドでは8月22日以来となるキャッチボールを再開した。まずはブルペンでトレーニング用の「プライオボール」で肩慣らし。その後、グラウンドで約30メートルの距離までのキャッチボールを行い、最後はマウンドからホームまでの距離を想定し、強めの投球を繰り返した。
大谷は打者として出場を継続している一方、投手としては7月3日を最後に実戦登板していない。
ロバーツ監督は「感じは良かった」との報告を受けた一方、今後については「明日の状態を見てから」との考えを明かし、あくまでもポストシーズンを見据えて慎重に調整を進めていく見込みだ。



