大学準硬式界の逸材が、異例の選択を下した。MLBの公式サイトが16日、大産大の準硬式野球部に所属する最速156キロの野上龍哉投手(3年)がパドレスとマイナー契約を結んだと公示した。190センチを超える長身から投げ下ろす直球が武器で、来秋のドラフト候補としてNPBスカウトからも注目を集めていた。

大分舞鶴2年時の22年にはS21世紀枠でセンバツに出場した。高校転校後に1度は野球を離れたものの、友人の誘いで大産大で準硬式野球をプレーすることになった。脚光を浴びるまでに時間はかからなかった。今秋のリーグ戦では関係者のスピードガンで155キロ以上を連発するなど注目を集め、3年生にして名門パドレスとの契約をつかんだ。

準硬式は硬式と軟式の中間のボールを使用した野球だが、ルールなどほとんどは硬式と同じ。「文武両道」に重きを置いて活動する傾向が強く、甲子園に出場する強豪校のレギュラークラスにも大学から準硬式にチャレンジする選手はいる。準硬式野球部から直接プロ入りする選手もおり、昨年ドラフトでは中大の大山北斗がソフトバンクから育成8位指名を受けた。今シーズン途中に支配下に昇格を果たすサクセスストーリーが話題となったが、野上のようにメジャー球団とマイナー契約にこぎ着けるのは異例中の異例。しかも野上は、まだ3年生だ。

日本では、今秋ドラフト1位候補と目されていた横浜の最速157キロを誇る織田翔希投手(3年)が、NPBを経ずにメジャー挑戦を視野にアメリカに挑戦することを表明したばかり。有望なアマチュア選手が日本でプレーすることにこだわらない傾向が強まっている。

◆野上龍哉(のがみ・たつや)2006(平18)年1月6日生まれ、大分・日田市出身。大分舞鶴2年時の22年春のセンバツで甲子園出場を果たす。日本航空(山梨)の通信課程に転校。同校を卒業後に1度野球を離れたが、友人の誘いで大産大準硬式野球部へ。入部直後は最速148キロだったが、今季は156キロに自己最速を更新。191センチ、88キロ。右投げ右打ち。