政界地獄耳

解散風と作られた大義/政界地獄耳

★「野党が不信任案を出せば解散の大義となる」と17日に発言したのは官房長官・菅義偉だが、官邸での会見で質問したのはニコニコ動画の記者だ。菅は間髪を入れずに「大義」発言をして大きなニュースになる。つまり野党の内閣不信任案をけん制し、衆参同日選挙はあり得ると官邸が初めて認めた格好だ。なかなかうまいやり方である。だがこの解散風を最初は自民党幹事長代行・萩生田光一が観測気球として上げ、今度は官房長官だ。

★連合会長・神津里季生は19日に自身のコラムで「週明けからまた解散風とやらが吹くのでしょう。しかしよく考えればおかしな話で当たり前のように解散風が報道され、そしてそのあとから『大義』が模索される。本来であればどうしても民意が問われなければならない問題が湧きおこり、やむにやまれず国会が解散され、総選挙という、全ての衆議院議員を選びなおすという大騒ぎに突入するということだと思うのですが、本当にそこまでやらなければならない理由があるのでしょうか。今のうちであればそれなりの内閣支持率があり、今のうちであれば野党の体制が整っておらず、今のうちであれば令和効果も残っているということなのでしょう。そしてこれからの外交日程はトランプ来日(天皇陛下との会見、大相撲観戦、ゴルフ交流等も)、G20、各国首脳との会合等、見せ場が続出ですから、その浮揚効果があるうちにということも容易に想像されるところです。でもそれって何なのでしょう。参議院選挙では民意を問えないのでしょうか? 同日選をやるためにひねり出される「大義」とはいったい何なのでしょうか? 解散風は誰のためにあるのでしょうか?」と政権の動きと一連の報道に疑問を呈した。

★大義は作られたかも知れない。野党に意地はあるのか。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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