政界地獄耳

【政界地獄耳】まだ危機感がわかっていない自民 後半国会は今まで以上に厳しいせめぎあいに

★自民党は裏金事件の党内処分も大甘だったが、政治刷新本部を見ていると、これからの再発防止を本気で考える気もないようだ。23日午後、党から離党勧告処分を受けていた比例東海ブロック選出で静岡8区の前安倍派座長・塩谷立が離党届を提出した。勧告を受けた後、不服として再審査を請求したものの、党から「相当の理由が認められない」として却下され、25日までに離党届を提出しなければ除名される予定だった。同日には同じ比例東海ブロック選出で静岡3区の元安倍派で前防衛副大臣の宮沢博行が女性問題の発覚などで辞表を衆院議長に提出した。25日の本会議で許可される見通しだ。

★そんな旧安倍派のドタバタの最中に政治刷新本部作業チームの全体会合が開かれた。派閥の裏金事件を受けた政治資金規正法改正の具体案をまとめたというものの、既に各党はそれぞれ改正案を出しているが、大筋は厳しく襟を正そうとしている。本来この改正は自民党の後を絶たない政治とカネの問題を是正するための議論だが、当の自民党の議論があまりにも後ろ向きで、やる気が感じられない。ことに政治資金パーティーの在り方、企業団体献金の禁止、政策活動費の公開、「調査研究広報滞在費」(旧・文書通信交通滞在費)の公開などの扱い、国会議員関係政治団体などの透明性確保、外部監査などの導入の是非などいずれも、検討という名で手を付ける気がない。

★ここまでひどいと今後の国会の委員会は荒れるのは必至。いやが応でも自・公対野党の構図がはっきりする。「改革案のお粗末さは野党だけでなく、国民もあきれるレベル。一体誰のためにやっているのか。改革どころか刷新にも程遠い。この程度で国民が納得するはずもなく、このまま解散に追い込むしかない」とは鼻息荒い野党幹部の話だが、まだ自民党はこの危機感がわかっていないようだ。塩谷や宮沢はしくじったとか、へまをやったと思ってるなら勘違いも甚だしい。後半国会は今まで以上に厳しいせめぎあいになる。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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