政界地獄耳

間違ってる安倍首相の反省/政界地獄耳

★「桜を見る会」疑惑は深まるばかりだ。20日、官房長官・菅義偉は今年の「桜を見る会」招待客の推薦枠は各省庁推薦の功労者らと、自民党枠がそれぞれ6000人、首相枠が1000人、これには内閣官房内閣審議官・大西証史が「安倍事務所において、昭恵夫人からの推薦もあった」と付け加えた。副総理、官房長官、官房副長官枠が合わせて1000人、国際貢献や芸術文化などの特別招待者や報道関係者、公明党関係者などが合わせて1000人とした。

★同日の参院本会議で首相・安倍晋三は多数の後援会関係者らを招いたことに「招待者の選定基準が曖昧で結果として数が膨れ上がってしまった。大いに反省する」とした。加えて「事務所から相談を受ければ、意見を言うこともあった」と関与がないとの発言から後退した。首相サイドとホテル側が握り合えば最後まで全貌はわからないかもしれない。だがホテルは別の政府や自民党関連の会合で収支のつじつまを合わせるなど逃げ道はいくらでもある。つまり灰色のままこの問題はうやむやになるのかもしれない。

★実際、飛行機や新幹線のディスカウントチケットやホテル代を正規の料金で払っている人は少ない。場合によっては会社で奨励しているところもある。だがこれはいわば生活防衛だ。新幹線のチケットを格安チケットに変えて1000円浮かして弁当とお茶を買いこむ出張族の思いが首相に分かるだろうか。領収書はない。明細書はない、関与していない。問題ないと言い張る政府に国民が感じるのは、「枠」という名の選民意識と上級国民を選ぶ官邸と選ばれる人側への反発だ。つまり首相は反省する場所が違っている。招待者が膨れ上がったことが問題ではない。その「呼んでやる」という意識を反省すべき。「桜を見る会」疑惑は法的にはすり抜けられても国民の心からは消えないだろう。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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