政界地獄耳

今こそ試される自治体の力/政界地獄耳

★このコロナ禍を乗り切るために政府は何もしないことが分かった。政府があてにならないのなら、その分、自治体の力量が問われることになり、知事や市長の政治力も問われることになる。都知事は宣伝上手だが内容がついていかず、大阪府知事は何やら迷走中。いくら有権者が選んだとはいえ「この程度か」と嘆かれる方も多いだろう。議会はそれを見守るのかたしなめるのか、二元代表制では議員の質もコロナ禍で改めて問われることになる。

★ところが、大都市では愛知県知事・大村秀章と名古屋市長・河村たけしは「犬猿の仲」といわれていて、相手のやることなすこと気に入らない。9日の会見で知事は、名古屋市が市内の民間病院でのPCR検査件数を把握できていないなどとして「改めてもらわないと。正確なデータが県民に伝わらない」と、苦言を呈した。確かに、住民から相談を受けてPCR検査までするのは、保健所の仕事。保健所を設置しているのは、政令市・中核市(おおむね30万人)と、それ以外の区域は県が直接行う。一方、新型インフルエンザ等対策特別措置法の権限(各種要請)では、県が担うことと定められ、政令市以下にはおりていない。

★よって両者の仲が悪いと、<1>県内の中小都市・町村部と県庁所在都市で、検査や保健所の方針が合わなくなったり<2>感染拡大防止のための業界要請がうまくいかない-という恐れがある。静岡県と静岡市はコロナ禍についてはうまく運んでいるが、リニア問題では予定線路は静岡市にあり推進派ながら、県は慎重な対応だ。東京都でも、世田谷区が独自にPCR検査を行うなど、決して23区と都がかみ合っているわけではない。だが、国難の今こそ政治の力を示す時だ。押し付ける政治よりもどう力を合わせるか、自治体の力が試される。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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