政界地獄耳

河野太郎「縦割り110番」は公か私か/政界地獄耳

★行革相・河野太郎が始めた「縦割り110番」。4000通余りのメールが来て手におえず閉鎖したが、そもそも個人のホームページで始めることにちゅうちょすらなかったのか。思えば大臣は就任会見から型破りだった。順番が深夜に及び「各省に大臣が散ってやりゃ、今ごろみんな終わって寝ている。さっさとやめたらいい」と怒ったが、本来なら行革相→防衛相→外相と上り詰める閣僚ポストだが、この人は霞が関の序列で言えば下がっていく珍しい大臣。会見の順番も後の方になる。怒るなら最初に会見をやる首相になるまで我慢するがいい。これは行革とは関係ない。

★さて110番だが早速、会見でも「これは公文書になるのか」と問われたように個人情報保護法にも抵触しかねない。ホームページには「すべてのメールに河野太郎本人が目を通しますが、ご返信、ご返答ができない場合があります」とただし書きがある。つまり懸賞に応募して、当選者は発送をもって代えさせてもらうようなもの。つまり問題点は国民から聞くが解決するかどうかはわからないというようなもの。これを官房長官・加藤勝信に「公文書か私文書か、公開や保存法は」と問うと「あくまでも個人が設けたサイトに寄せられたもの。国には個人情報保護法に基づき『内閣府規制改革ホットライン』がある」と早速内閣不一致ぶりを発揮した。

★思えば17年3月、米副大統領マイク・ペンスがインディアナ州知事時代、個人のメールで公務を行っていたことが発覚し問題となった。それで思い出すのが、15年から18年にかけて、在任中の公務に私的な電子メールを使っていたとして追及された元国務長官ヒラリー・クリントンだ。最もヒラリーの公私混同メールを厳しく攻撃したのがペンスだったことも話題に拍車をかけた。日本では閣僚も国会議員もこの部分使い分けについてはかなり適当だが、その最たるものが今回の110番騒動ではないか。4000通の声を無視したり無駄にはしないでほしい。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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