政界地獄耳

【政界地獄耳】ちらつく安倍晋三の名前 ポスト菅が見当たらない

★自民党内には激震が広がるというより表立っては平静を保っている。1月5日、自民党政調会長・下村博文は、当時は参院広島選挙区の再選挙は決まっていなかったが、衆院北海道2区と参院長野選挙区の補選について、「自民党が両方負けるとなったら政局になる。2つで負けることが今後の菅政権にとって大ダメージになる」と予言。直後に幹事長・二階俊博は「政策のことについて政調会長のご意見は十分尊重するが、選挙は幹事長の責任。しっかりと対応してまいりますからご心配なきよう」と強く反発していたが下村の予言が的中した。

★それどころか3連敗で二階の求心力は衰え、首相・菅義偉の考える解散時期も首相主導で進められるかどうか不透明になってきた。23日の会見で首相は「私の総裁任期の中で、機会を見て考えなければならない」と解散をしてからの総裁選を模索する発言が続いているが、党内にはそもそも「菅で戦えるのか」と選挙の顔をすげ替えるべきだとの声もくすぶる。ところがポスト菅が見当たらないというのが党内の本音でもある。広島で勝利していれば岸田文雄の株も上がるのだが、宏池会も志公会のワクチン相・河野太郎が出てくるようなら岸田をあきらめ元文科相・林芳正にシフトする動きがある。平成研も外相・茂木敏充、官房長官・加藤勝信らの名前は挙がるものの一本化に至らない。最大派閥・清和会は先の下村、売り出し中のコロナ相・西村康稔あたりが候補だろう。

★「これでは国民も人材難を深刻に受け止めるだろう」(自民党ベテラン議員)。そこで最近活動が活発な前首相・安倍晋三の名前がちらつく。安倍は自らの病状について「診断は継続中だ。2カ月に1度の点滴と診察が続いている」としているが、半年後には回復、復帰というシナリオも水面下にはありそうだ。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

おすすめ情報PR

社会ニュースランキング