政界地獄耳

【政界地獄耳】顔色見るばかりでなく泉健太ビジョン示せるか

★立憲民主党でいつものお家騒動が始まった。目的は党代表・泉健太を引きずり降ろしたいだけなのか。それとも党内でささやかれる元首相・野田佳彦を代表にしたいのか。党内には衆参補選と統一地方選挙の責任論がくすぶる。10日、党参院のベテラン議員・蓮舫が党の両院議員懇談会で泉に向かって「一番変わらないといけないのは代表の認識だ」と詰め寄ると、泉は「家に帰ってよく考える」と応じたという。

★そもそもこのやりとりが滑稽だ。蓮舫の「代表の認識」とは選挙で負けた時の責任の取り方なのか、もっと働け・汗をかけということなのか。ところがその時、泉が「党を立て直していくにはどうすべきか」という議論の中で次期衆院選で同党の獲得議席が150を下回れば代表を辞任すると発言していたことが表面化した。すると今度は党内から「衆院の現有議席は97で200以上の選挙区への候補擁立を目標にして150議席を狙うということらしいが、今の党勢や現状では無謀な発言」ととられ大騒ぎだ。

★立憲民主党は流れをくむ民主党時代から落選議員に冷たく、手当てもしなければ敬意も表さないという文化がある。だから落選議員の多くは民主党から立憲民主党と議席が続かない。再選を望む元職は維新から出馬して再選をはたしている者も多い。泉ビジョンがないから、党や執行部に求心力が生まれない。1人でも多くの国民の声を聴き、1人でも多く救えるものがあるなら努力を惜しまない。若者や女性票が欲しければ自民党が理解しないフリーランスや派遣など連合が手の届かない働き手の支えや支援のプランや法律をどんどん出せばいい。顔色を見ることばかりでなく、右か左ではなく国民の期待に応えるという政党本来の仕事を確認し、党を挙げて走り出せばいい。議席目標を掲げて不退転の決意をするのは結構だが、国民が期待を寄せる党になるプランを示せば泉の評価は変わるのではないか。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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