バイデン米大統領は2日、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ攻撃に反対して全米各地の大学で続くデモについて「抗議する権利はあるが、混乱を引き起こす権利はない」と述べ、大学敷地の一部占拠など違法行為を非難した。ホワイトハウスで演説した。

一方で、イスラエルの自衛権を支える外交方針に変更はないとし、デモを鎮圧するための州兵派遣も検討していないと記者団に語った。11月の大統領選で再選を目指すバイデン氏はガザ情勢を巡り若者の支持離れが目立ち、難しい対応を迫られている。

演説でバイデン氏は「平和的なデモは米国人が重要な問題に対応するための最良の伝統だ」としつつも「破壊行為や不法侵入、授業の妨害は平和的なデモではない。違法行為だ」と批判した。

その上で「米国は異論を封殺する権威主義国家ではないが、無法国家でもない。意見の相違によって無秩序に陥ることがあってはならない」と述べ、過激な行動を控えるよう求めた。

大統領選で再対決するトランプ前大統領は1日、ニューヨークのコロンビア大でデモ参加者を強制排除した警察官らを「素晴らしい仕事をした」と称賛。バイデン氏の弱腰な対応が混乱を招いたと批判を強めている。

バイデン氏は7日にもワシントンのホロコースト記念博物館で、反ユダヤ主義的な言動に対抗する取り組みについて演説する。(共同)