抜けるような青空。トランプ・ナショナル・ゴルフクラブのクラブハウスは高級リゾートホテルのようです
抜けるような青空。トランプ・ナショナル・ゴルフクラブのクラブハウスは高級リゾートホテルのようです

LAは伝統的に民主党が強い土地柄

 数々の暴言やスキャンダルで物議を醸してきたドナルド・トランプ氏が次期アメリカ大統領に当選するという衝撃的な結果を受け、全米各地で市民らによる抗議デモが起きています。そんな中、ロサンゼルスにあるトランプワールドに潜入(?)してみました。ニューヨークではトランプ氏が所有する「トランプ・タワー」前ではレディー・ガガが「愛は憎しみに勝る」と書いたプラカードを掲げて抗議活動するなど大規模デモが連日行われており、警察による厳戒態勢が敷かれ、上空は飛行制限空域に指定されるなど物々しい雰囲気になっています。では、伝統的に民主党が強い土地柄であるロサンゼルスにあるトランプ氏所有の物件はどうなっているだろう? と言うことで、行ってみました。

絶景の眺めです。18ホールどこからも美しい景観が望めます
絶景の眺めです。18ホールどこからも美しい景観が望めます

全18H海岸線と青い海が展望

 「不動産王」として知られるトランプ氏は、1970年代からホテルやカジノ経営、オフィスビル開発などに乗り出し、「トランプ・タワー」や「トランプ・プラザ」「トランプ・インターナショナル・ホテル&タワー」「トランプ・タージマハール」など自らの名前を冠にした不動産のほか、フロリダ州パームビーチにあるリゾート「マー・ア・ラゴ」やワイナリー、ゴルフ場など多数の不動産を開発・運営しています。そんなトランプ氏が、LAに所有しているのが「トランプ・ナショナル・ゴルフクラブ」。ロサンゼルス空港から南に30分ほどの海辺の高級住宅地ロスバーデスにある太平洋が一望できるとても美しいゴルフコースです。このゴルフコースは、2002年にトランプ氏がオーシャン・トレイル・ゴルフクラブを買収して史上最高額と言われる264億ドルをかけて大改造したもので、全18ホールどこからでも美しい海岸線と青い海が望めるコース設計と高級感がウリ。LA周辺でも1、2位を争う屈指の美しいコースであることは間違いありません。

起伏にとんだコース設計は多くのゴルファーを魅了しています。景観もさることながら、コース設計も一流と評判です
起伏にとんだコース設計は多くのゴルファーを魅了しています。景観もさることながら、コース設計も一流と評判です

超高級もパブリックコース

 周囲には豪邸が立ち並び、高級感漂う巨大なクラブハウスにはレストランや結婚式ができるホールもあります。高級感を全面に出したトランプ・ナショナル・ゴルフクラブですが、一般のゴルファーもプレーができるパブリックコースで、あまり知られていませんが海岸線を歩ける遊歩道やピクニックエリアもあり、ゴルフをプレーしない人も気軽に訪れることができます。公式HPには、「ここはパブリックで最も高級な体験ができる最高のゴルフコースです。皆さんのお越しをお待ちしています」とトランプ氏のメッセージが掲載されており、150ドル払えば、誰でもプレーすることができます。

クラブハウスの前にはピクニックができる広場があり、そこから海岸線を歩くことができる遊歩道がいくつも広がっています
クラブハウスの前にはピクニックができる広場があり、そこから海岸線を歩くことができる遊歩道がいくつも広がっています

物々しい警備なく変わらぬ日常風景

 そんなトランプ・ナショナル・ゴルフクラブに到着すると、全米がトランプ氏当選で揺れる中でここだけはまったくの別世界が広がっていました。何事もなかったかのように静まり返り、リゾートホテルのような佇まいのクラブハウスの前には高級車がずらりと並んでいます。カートに乗ってコースを回るプレーヤーの姿も多数見かけましたし、クラブハウスではプレーを終えた紳士たちがビールを片手に談笑しており、高級リゾート地を訪れたかのような穏やかな雰囲気。物々しいセキュリティーも一切なく、遊歩道では犬の散歩を楽しむ人やジョギングをする人、ピクニックをする親子連れなどもおり、何ら変わらない日常が広がっていました。

地元では結婚式会場としても人気が高く、近くのチャペルで挙式をした後でここで披露宴を行うカップルもたくさんいます
地元では結婚式会場としても人気が高く、近くのチャペルで挙式をした後でここで披露宴を行うカップルもたくさんいます

22年にPGAチャンピオンシップ

 もちろん、一般の市民がデモを行っている市街地からは遠く離れた高級住宅街にあるゴルフ場ですから、わざわざここに来て抗議活動を行う人はいないのかもしれません。「トランプのゴルフコースでプレーをするのはやめよう!」「ボイコットしよう!」と言った抗議活動は行われていないようです。とは言え、昨年10月には選挙戦での数々の暴言などを受けて開催が予定されていたPGAグランドスラムが別の場所に急きょ変更される騒動もありました。2022年にはPGAチャンピオンシップの開催が決まっているそうですが、その頃にはトランプ氏はもう大統領ではない可能性もありそうです。(米ロサンゼルスから千歳香奈子。写真も)