兵庫・明石沖のメバル釣りがアツい! 同・明石の林崎漁港から出る「小松乗合船」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)で開催中の「メバル3匹合計長寸大会」の様子を見に行こうと先日、明石沖へ出た。早朝から一発、大物を狙うが、条件が悪かったようで浅場の食いはイマイチ。それでも後半の深場で良型が顔を見せだし、大型のバラシもちらほら。最長寸は28・6センチで、神戸の高橋貴和さんが仕留めた。メバルは数よりも型狙いが面白い。水温が上がってくるこれからが楽しみだ。【近江康輔】

「竿先が海面に突きささるほどの強烈な引きで、ゴーンと食ってきました」。高橋さんが、体高があって肉厚の28・6センチのクロメバルを手に、うれしそうに目を輝かせた。朝から、浅場を回るが、メバルの食いが渋く、大半が0~2匹しか釣れない苦戦が続いただけに喜びもひとしおだった。

ヒットしたのは潮止まり前の正午ごろ。ポイントは林崎沖の水深50メートルの深場。「深いところはメバルが浮きにくいので底近くを狙うのが鉄則なんです」。その言葉どおりの会心の1匹だった。高橋さんは明石沖のメバル釣りに魅了され、8年前から土日祝日には必ず小松乗合船に通っている。

「明石沖のメバル釣りは総合力が試される。仕掛けの交換、餌を付ける早さ、タナどりなど、すべてを高めて釣らないと好釣果が出ない」。特に浅場は船長の指示ダナを的確に釣っていくゲーム性の高さ、細糸で強烈な引きをいなすスリリングなやりとりにはまる。

高橋さんの仕掛けは、自作の5本バリ。エダスがからむトラブルを極力抑えて作られたもので、少しでもハリスがよれるとすぐに交換できる優れもの。必釣パターンは、ハリスのトラブルを避けるために誘いはかけず、決めたタナでハリスがまっすぐに伸びるようにしてじっと待つだけ。細軸で針先が鋭い4号の軽量メバル針でシラサエビを自然に泳がせて食いを誘う。

高橋さんの最長寸記録は17年の1月に釣った31・3センチ。小松乗合船で毎年、開催されている「メバル3匹合計長寸大会」(年末~4月下旬)の上位(10位以内)入賞回数は5回を誇る。目標は「大会で優勝することと、いつか32センチを釣ってみたいですね」とまだ見ぬ大物に夢を膨らませた。

明石沖のメバル釣りは水温が上がってくるこれからが絶好機。活性が高まり、浅場で尺クラスが狙える。大会も、毎年、終盤で順位が入れ替わるデッドヒートが繰り広げられており、4月29日の最終日まで、高橋さん(現在11位)を含む強者たちが、アツい戦いを繰り広げる。

【問い合わせ】小松乗合船【電話】078・923・8711。乗合船料金は大潮回りのメバル釣りが7700円(シラサエビの餌付き)。小潮回りのマダコ釣りは8000円。午前6時半に出船(季節により変動する)。木曜日は定休。ほかにも、明石浦漁港に丸松乗合船(日刊銀鱗倶楽部加盟店)【電話】090・6981・4620がある。

【交通】第2神明道路の玉津ICを出て国道175号を南下。和坂交差点を直進。山陽電鉄の踏切を越え、林小学校前の信号を右折し、県道718号へ。3つ目の信号を左折。林崎漁港内の同乗合船待合所へ。