さあ、東京湾の海の上で刀狩りだ。本格的な夏の訪れを迎え、タチウオ釣りが活況を呈してきた。船宿が大船団を形成してテンヤ、テンビン、ルアーで狙う。この時期は群れが固まり、食いが立てば一気に数も伸びる。その光景はまさに「刀剣乱舞」。ぶつ切りにして塩焼きやバター焼きにすれば身離れがよく、白身の淡泊な味にお酒もごはんも進む。

東京湾には、こんな太いドラゴン級のタチウオがいる
東京湾には、こんな太いドラゴン級のタチウオがいる

★60~110センチ 数釣り期待

気まぐれタチウオのスイッチが入れば、一気に活性が高くなる。指示ダナ(魚の遊泳層)で誘うだけではなく、落とし込みの最中にググッと押さえ込む。そうかと思えば「幽霊魚」の別名の通り、フッと仕掛けが軽くなる。まさしく「神出鬼没」だ。気配を消されてバラしたかと思うと、エサやルアーを食い上げる。いろいろなアタリを出してくれるから、やりとりが面白い。見渡せば、大船団が集まり、そこかしこでサオが絞り込まれる。走水沖や観音崎沖、猿島周りと東京湾には実績のあるポイントが点在している。夏はサイズこそ60~110センチとバラツキがあるものの、数釣りが楽しめる。

東京湾の実績ポイントにはタチウオ狙いの大船団が形成される
東京湾の実績ポイントにはタチウオ狙いの大船団が形成される

「例年よりも群れが多いのではないか。アタリはひんぱんにありますし、気がつけば30匹、40匹と数も伸びています。全般に活性が高いと思います」。神奈川・久里浜「大正丸」の鈴木喜忠船長は声を弾ませる。

大正丸の場合、テンビンとテンヤの合同船。テンビンは道糸PE2号、オモリは40、50、60、80号と使い分ける。ハリス6号(2メートル)、針は1/0号、2/0号でノーマル仕掛け&逆テーパー仕掛け針チモト12号15センチ+6号(全長2~2・5メートル)の1本針。テンヤは道糸PE1・5号~2号、テンヤ50号、リーダー2メートル。どちらかに分がある場合、釣り方を変えてもいい。

好釣が続く「大正丸」のタチウオ
好釣が続く「大正丸」のタチウオ

船宿からは、50リットル以上の大きいクーラーの持参を控えるようにお願いしている。実は大きなクーラーが多いと置き場所に困るし、釣り人の船内での移動にも困る。また、バッテリーは持参のこと。


★船によりルール様々

釣り宿によってこのほか、タチウオ船のルールは違ってくる。川崎「つり幸」(幸田一夫船長)は釣り人がテンビンかルアーかを申請し、船中で釣り座を決めたらその位置で釣る。釣り方の変更はできない。ルアーはメタルジグを使う。浅場なら80~120グラム、深場なら120~150グラムを推奨する。

「つり幸」では例年通りタチウオの数が伸びている
「つり幸」では例年通りタチウオの数が伸びている

新安浦「長谷川丸」(岩瀬正紀船長)の場合、予約の際にテンヤかテンビンかルアーかの釣り方を決める。釣りの途中で変更はできない。テンヤは50号メインでタナが浅い場合は40号も可能。テンビンは60号に統一しているが、浅場でライトタックル(LT)になる時は40号。「浅場で釣れることが続くようなら案内します」(岩瀬船長)。

「長谷川丸」のタチウオ釣りは最盛期へと盛り上がってきた
「長谷川丸」のタチウオ釣りは最盛期へと盛り上がってきた

ルアーは、メタルジグ100~120グラムが主体。「大潮の時や、大雨の後で河川から大量流入がある時には150グラム、浅場なら80グラムも持ってきてください。総じて重めの方がトラブルは少ない」と岩瀬船長は強調する。定番は黄色主体に白のゼブラ柄、赤色で白のゼブラ柄、紫や青のゼブラ柄などだ。


ルアー専門に狙うのは金沢八景「太田屋」(太田一也船長)。「細かいサイズが多いが、冬場の実績ポイントの浅場で食っている」と例年にはない傾向を説明する。冬場に水深60~70メートルで食う場所の30~40メートルでヒットするという。

「太田屋」でルアーにヒットした良型タチウオ
「太田屋」でルアーにヒットした良型タチウオ

こちらもやはり主体は100~120グラムのメタルジグ。「浅場なら80グラム、潮の流れが速いようなら150グラムがあってもいいかな」(太田船長)。赤金、ブルーピンクが定番カラー。潮が澄んだ場合はイワシカラーなどのナチュラル系、濁った場合は蛍光イエローや金、銀など海中でアピールできるハデハデ系と、他の魚種にも当てはまるセオリーが応用できる。


★巨大メス狙える8月

東京湾のタチウオは暑くなるにつれて指5本、120センチクラスの良型がだんだん増えてくる。「8月になると産卵を迎えるメスのでかいのが釣れるようになる。そうなれば最盛期。その後はしだいに群れもバラバラに散って、深場へと落ちていく。いつも通りなら食いがひと息となる11月半ばまで続くと思います」(鈴木船長)。今やLTアジと並び、東京湾でほぼ通年狙える「2枚看板」のタチウオ。ここからロングランとなる。