心房細動を治し、上手につきあうために、電気的と構造的という2つのリモデリングを止めることを忘れないでください。また生活習慣を正し、食事、運動、アルコールに気を使うように書きましたが、大事なことは無理なく続けられる範囲で行動することです。

日常の生活習慣の中で、体のためにしているはずの運動が心房細動を誘発することもあります。正月も過ぎましたが、今回の箱根駅伝は圧巻でした。テレビを見ていていつも思い出す患者さんたちがいます。マラソンランナーや過度の肉体的訓練を重ねている職種の方々、スポーツ心臓と言われていましたが、その中には持続性心房細動に至る場合があります。人にはそれぞれ運動の限界があります。同じ量のアルコールを飲んで肝臓を壊す人とそうでない人がいるように個人差があります。

全ての専門医は全てのリモデリングを止めるために、まず心房細動を止めて電気的リモデリングをゼロにすることを目指します。カテーテルアブレーションに自ら全身全霊を傾けて、正常の調律に戻してくれるはずです。

治療前に「成功率は70~80%くらいですがいいですか」「複数回するかも」とか、一般的な話だけで自分の治療実績や決意をしっかりと伝えてくれない医師なら、治療受けるのは控えるのがいいかもしれません。患者は、不安を持ちながらも覚悟をもって病院を訪れます。医師は万能ではないので結果が出ない場合がありますが、医師にも武士道にも似た凜(りん)とした覚悟が必要だと思います。

医学の治療の進歩は目を見張るものがありますので、心房細動を患っている方も希望を持ってください。次回から、心房細動をいかにカテーテルアブレーションで治すかを説明します。