「肥満症」の治療、「食事療法」「運動療法」「行動療法」を取り上げました。今回からは、「薬物療法」にスポットをあてます。
2024年2月22日より肥満症治療薬「ウゴービ(一般名:セマグルチド)」が保険適用になり、注目を集めました。これは糖尿病の治療薬として10年から使われていますが、ウゴービは肥満症に特化し、高容量化されています。
ウゴービの作用機序は、「GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)」に注目です。食事をして、食べた物が腸に到達すると小腸からホルモンのGLP-1が分泌され、これが膵臓(すいぞう)に働きかけてインスリンを増やします。それによって血糖は低下。だから、糖尿病治療薬として開発されたのです。糖尿病治療薬が「オゼンピック(一般名:セマグルチド)」です。
そのGLP-1は血液中に入ってしまうと約3分で半分が壊され、6分で4分の1と、どんどん減ってしまいます。減る原因は、血液中にあるDPP-4という酵素がGLP-1を分解してしまうからです。そこで、GLP-1が分解されないように薬を進化させ、壊されないようにしたのです。
当初は糖尿病治療薬でしたが、その後、体重減少効果があることが分かってきました。それは2つの作用によります。第1は、使う薬の量を増やしていくと脳の摂食中枢に働きかけて食欲を抑え、満腹感を維持します。第2は、腸の動きを遅くして、食物が胃から腸に流れるのを遅くすることで食物の吸収が悪くなります。この2つの効果で体重が減ることがわかりました。
では、実際どのようにウゴービを使うのか、気になります。それは、次回に--。(医学ジャーナリスト 松井宏夫)

