第4回ニッカン釣りちゃんカップがこのほど、神奈川・金沢八景「太田屋」(池田芳之船長)で開催された。対象は、東京湾で人気のタチウオ。アニキこと俳優哀川翔と、モデルの「つーちゃん」こと利水つばさをゲストに、18人が参加した。気まぐれな「幽霊魚」らしく、当日は食いが渋い状況に悪戦苦闘だったが、アニキは見せ場を作ったうえにルアーで1匹確保した。最大魚の「翔さん賞」には105センチで岩佐鎮彦さん、サオ頭の「つーちゃん賞」には8匹で石原昌典さんがそれぞれ輝いた。
★いきなりエイも意地の1匹
アニキのロッドがいきなりしなった。「デカイぞ、これ」。右舷ミヨシ(最前方)から2人目の定位置とも言うべき釣り座で、慎重にやりとりする。格闘の末に海面まで引き上げてきたのは本命ではなく、思わぬゲストのエイ。結果的にリリースしたが、「タチウオだったら相当いいサイズと思うほどの引きでした」と笑うしかなかった。
タチウオは活性が高くなれば落とし込みの最中で食ったり、タナ(遊泳層)が上ずったりする。一方でご機嫌を損ねてしまうと、何をしてもダメな「お手上げ」の状態になってしまう。どこで出現するかもわからない「幽霊魚」に、船上では誰もがあの手この手で誘いをかけていた。
アニキも同じ。「お客さんに聞いて、釣り方をまねていましたよ」。ピンクに青が交じった100グラムのメタルジグを水深70メートル前後まで落とし、ゆっくりタダ巻きして誘う。この日有効だったカラーだ。時にはロッドを1回上げてはリールを1回巻く「ワンピッチ・ワンジャーク」でも誘った。「周囲も8割方、スローなタダ巻きで食っていたみたい」。
タチウオのガリガリと獲物を食うようなアタリは感じた。1回はルアーのボディーがかまれて、歯形がつけられていたが、フックには食い込んでいなかった。
ふだんはテンビンかテンヤでタチウオを釣る。ルアーで狙うタチウオは10年ほど前、静岡・駿河湾でやったことがあるという。「その時は高速タダ巻きで食わせた。場所が変わると、釣り方も変わるんだね。楽しませてもらいました」。
今回の釣果はわずか1匹。厳しい現場だった。「いつ来るか分からないなか、いろいろなパターンを試してどれで食うのか考えながら釣るのが面白かったですよ。ルアーでリベンジしたいと思いました。また、機会を作ってよ」。釣りちゃんカップでのアニキの新たな挑戦が始まる。
■最大「翔さん賞」岩佐鎮彦さん
★バラしたその直後105センチ
沖上がり10分前に大物賞が待っていた。初参加の岩佐さんは、リーダー切れの直後の一撃で105センチのタチウオをヒットさせた。
納竿前に4匹をゲットしていた。5匹目を釣り上げたはずが、海面に出て抜き上げようとした瞬間にバラした。「リーダーが傷ついていたようでした」。正直、めげた。気を取り直して、8号、長さ2メートルのリーダーを素早くセットし直す。平たいセンターバランスのクルー「アサルト」のメタルジグ125グラム(色はピンクシルバー)を選んで結んだ。
ジグが着底したら、船長の指示ダナを守って誘う。ポイントは水深70メートルの深場。「65~50メートルまで探れ」とアナウンスされていた。
当日はゆっくり巻きで結果が出ていた。慎重にタチウオのいそうな遊泳層を探る。65メートルから5メートルほど巻き上げたところでアタリが出た。「根掛かりのように仕掛けが押さえ込まれるような感じでした。リールは巻けたので根掛かりじゃないし、魚だなと思って慎重に一定のペースで巻き上げました。銀ピカの魚体が見えたので、タモ入れしてもらいました。やり直しの1回が利いて良かった」。サヨナラホームランに笑った。
小学生時代のブラックバスから始め、ルアー歴は約35年。ニジマスやフライフィッシング、海ではアオリイカのエギング、マグロなどまで楽しむ。タチウオは7~8年前にテンビンやテンヤからルアーに鞍替え。今回「YouTubeでよく見ていて楽しそうだと思い、インスタで発表した瞬間に応募しました。楽しかったので、また参加します」と声を弾ませていた。
■「つーちゃん賞」石原昌典さん
★ピンクのテンヤで8匹
「つーちゃん賞」の石原さんが、左舷トモ(最後方)でこだわりの釣りを見せた。前の週に様子見を兼ねて乗ったという。その時は1メートル前後のタチウオが19匹と、まずまずの釣果だった。「二匹目のどじょう」とばかりに再来を期待していたが、「そろそろ産卵にさしかかってきたのか、めちゃくちゃ渋かった」と振り返るほど、気まぐれ「幽霊魚」の活性が低かった。
そこで釣り方に工夫を加えた。電動リールを微速で巻き上げながら自分でサオを揺らす「エレキテル・バイブレーション」にした。「揺らしながら止めて、少し間を与えたら食ってきた。エサをタチウオに見せて、止めていた方が明確にアタった」と言う。誘いがはまった。
もう1つ、順調に数を伸ばした要因がある。テンヤの色だ。ケイムラのピンクが釣れるカラーだった。「19匹釣った前の週はケイムラのピンクのほか、赤金とか緑金とさまざまな色のテンヤで掛かった。今回は赤金とか蛍光イエロー、使わなかったけど紫も持参しましたが、最後はケイムラのピンクで通しました」。まったく釣れなかった参加者もいるなか、経験と素早い状況判断でトップとなった。
★バター焼き美味
タチウオ 銀ピカの魚体で、薄く細長いシルエットから「太刀魚」と付けられた。立ち泳ぎすることから「立ち魚」とも。海外では「サーベル・フィッシュ」とも呼ばれている。オホーツク海を除いて北海道から九州南岸まで生息。東京湾では通年狙える看板魚種としてルアー、テンヤ、テンビンで狙う。触っただけで切れるほどの鋭い歯を持ち、成魚は小魚などを捕食する。釣り人は体高を指の本数で計測する。「指5本」とか「指7本」まで行けば、相当でかい。15センチほどのぶつ切りにして、塩焼きやバター焼きにするとうまい。





