日本は米国に0-10(0-3、0-6、0-1)で完敗し、10日の韓国戦に続いて連敗となった。第1ピリオド(P)1分1秒で先制されると、優勝候補のパワーとスピードに圧倒されて大量失点を喫した。韓国がチェコを破ったため、日本の準決勝(組2位以内)進出はなくなった。

 「力の差があるのは分かっていた。どれだけ失点を抑えられるかがポイントのゲームだった」と中北浩仁監督(54)。守りを固めてクロスゲームに持ち込み、少ないチャンスを確実にゴールに結びつける戦略は、立ち上がりの失点であっけなく打ち砕かれた。韓国戦で好セーブを連発したGK福島忍(61)も、ゴール前でフリーでシュートを打たれては防ぎようがない。第2P途中までに9点を失って、ベンチに下がらざるを得なかった。

 8年の間に大きな力の差がついていた。日本は10年バークーバー大会で銀メダルを獲得以来、2大会ぶりの出場。その時、金メダルを争ったのが米国だった。準決勝で地元カナダを破った日本は、決勝でも0-2の惜敗。世界に衝撃を与えた2試合だった。その後、米国が14年ソチ大会も制して今大会で3連覇を狙っている。一方の日本はチームの新陳代謝が滞り、資金不足で強化も行き詰まった。

 放ったシュート数も2ー24。米国がペースを落とした第3Pに熊谷昌治(43)が執念でゴールを狙ったが、ネットを揺らせなかった。銀メダルメンバーの上原大祐(36)は「8年の間に世界がどんどん動いて、いろいろな国が強くなっている。米国は競技の普及に力をかけているが、日本はそれができていない。その差が表れた」と課題を指摘した。

 韓国が連勝したため、準決勝進出はなくなった。それでも戦いは続く。13日のチェコ戦と順位決定戦2試合。「パラリンピックでチェコには負けたことがない。今回も勝つ。選手もそのつもりです」と中北監督。「GKの福島が頑張っている。だから、僕たちが体を張って福島を助けることができれば、次も、その次も、その次も勝てる」と上原。競技をアピールして選手を増やし、強化を進めるためには、勝利を目指して世界の強豪に立ち向かう姿を見せ続けるしかない。