陸上男子5000メートル(視覚障害T11)に出場した和田伸也(39=賀茂川パートナーズ)は、16分2秒97で6位だった。

 12年ロンドン大会では銅メダルを獲得し、日本選手団メダル1号を目指したが、力が及ばなかった。1位のケニア代表とは46秒も差が開いた。和田は「フォームも崩れることなく、レースに集中できた。4年間できることもやった。調子もよく、完璧だった」と順調な調整ぶりを明かしたが「トップとの力の差は認めざるを得ない。完敗です」と振り返った。

 和田は全盲のため、試合はもちろん、練習も1本のロープでつながる伴走者なしでは走れない。伴走の協力者はこれまで300人以上おり、毎日、伴走者に連絡を取りながら、練習メニューを組んでいる。1カ月で約550キロを走り、支えてくれた仲間たちのためにもメダルを獲得したかった。妻からは“リオ仕様”のロープをプレゼントされた。「クラブ、市民ランナーなどの多くのみなさんに協力して頂き、また、応援もしてもらい感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました」と、感謝の言葉を伝えた。

 和田は1500メートル、マラソンにも出場する。「切り替えて、笑顔でリオを締めくくりたい」と前を向いた。