プロ9年目の塚田陽亮(31=ホクト)がツアー初優勝で「ツアープレーヤー日本一」の称号を手に入れた。4打差12位から出て、7バーディー、2ボギーの66とこの日のベストスコアをマークし、通算2アンダー282で逆転勝ち。難関17番では330ヤードドライブで果敢に攻め、バーディーを奪って勝負を決めた。これで5年シードと、7月全英オープンの出場権も得た。大会は6年連続でツアー初優勝者が制した。

 塚田は攻めて勝った。最難関の17番でラフを恐れずドライバーを振り切った。「完璧でした」。低めのフェード球はフェアウエーでランを稼ぎ、カート道を越えて池の手前まで届いた。残り113ヤードの第2打は52度のウエッジ、手前から7ヤードのピンに対し、左2メートルに止めて、これを沈めた。

 青木功大会会長がピン位置を決め、「攻めた者にはご褒美、逃げた者には罰」がコンセプトのコース設定に応えた。18番は右フェアウエーからグリーンの右から7ヤードのピンを狙うには木が邪魔に。左サイドに乗せる選択もあったが「気がついたらフェードでピンに向かって打っていました」。2パットが確実な6メートルにつけた。

 難コースに「ドMじゃないとゴルフにならない。僕が一番ドMだったということ」と照れ笑い。最終組の3組前で首位でホールアウトし、プレーオフの可能性を残す後続の組を待つ間も「自分のプレーを褒めたかった」。コースを攻略した喜びに、初優勝という結果がついてきた。ロッカー室では涙が「4粒」出たという。

 英語も話せない14歳で渡米し、IMGアカデミーで腕を磨いた。「勉強しないと、ゴルフをさせてくれなかった」そうで、勉学も一生懸命やった。がっちりした体格と豪快なドライバーショットとは対照的に、自称「気持ちが弱い」。1番でグリーン左からのチップインパーを決めた時も「足が震えていた」と明かした。プロ転向時は「30歳でツアーに出られれば」と高望みはせず、31歳での初勝利を「ちょうどいいころ」と自然体で受け止めた。

 5年シードについても「あってもなくても、やることは変わらない。おごることなく、今までと同じ姿勢で」と謙虚だ。ツアー今季8戦目で2人目の日本人勝者。「日本ツアーなので、我々日本人が盛り上げていきたい」と、早くも自覚が芽生えた口調で締めくくった。【岡田美奈】

 ◆塚田陽亮(つかだ・ようすけ)1985年(昭60)5月24日、長野県生まれ。10歳からゴルフを始め、中3で米フロリダ州のIMGアカデミーに留学、同時に日本のジュニアの大会にも出て日神カップなどで優勝。帰国後は名古屋商科大に進み06年朝日杯日本学生4位。08年プロ転向、12年に下部ツアーランク5位となり、レギュラーに昇格。昨季は賞金ランク56位。173センチ、80キロ。