スーパー大回転女子座位で村岡桃佳(21=早大)が銅メダルを獲得した。10日の滑降で日本選手団メダル第1号となった銀に続き、今大会2個目。3種目を残し、滑降男子座位銀メダルで尊敬する森井大輝(37=トヨタ自動車)より先に金メダリストになることを誓った。

 2日連続でヒロインになった。1番スタートの村岡は想像以上の凸凹なコースに、中盤で溝にはまり、体が浮いてバランスを崩したが、持ちこたえた。1分36秒10でゴール。その後2人に抜かれたが、3位に入った。「コースのイメージが湧かず、恐怖心もあり攻めきれなかった。悔しさもあるけど、そんな中で取れたメダルは素直にうれしい」と安堵(あんど)した。

 9日夜の開会式は日本選手団の旗手を務めた。10日午前の滑降を控え、大半の選手が欠席したが参加。翌日は午前4時30分に起床し、睡眠時間は約5時間で、肉体的疲労もありながら連続でメダルを獲得した。「旗手としての責任感が自分自身を変えたのかもしれない。開会式のあの景色を見て不思議なエネルギーをもらった」と言う。

 大先輩の一言も後押しした。中3の時、3度のW杯年間王者を誇る森井の迫力ある滑りに触発され、背中を追った。「桃佳は全種目でメダルが狙える」と言われ続け、10日の滑降後には「練習の時の方があと2段ぐらいギアが上がっている」と指摘された。「『まだ、行けるんだ』と気づかせてくれた。私のトップギアはこんなもんじゃないんだ」。銀メダルで満足せず、集中力を発揮した。

 13日からスーパー大回転と回転の2本を争う複合、技術系の回転、大回転と続く。「残り3種目で取っていない色は1つだけ。(森井)大輝さんより先に金メダルを取ります」と力強く宣言した。【峯岸佑樹】