「投高打低」の「投高」に迫る フォーシーム平均球速が高速化/調査報道2024〈4〉

近年、日本プロ野球は急速な「投高打低」が続いている。昨季、両リーグで規定打席に届いた打者のうち、打率3割を超えた選手は3人しかおらず、日本人はソフトバンク近藤だけ。一方、防御率1点台で規定投球回に達した投手は6人もいる。西武時代の松坂大輔氏の最高防御率が2・13(06年)だったことを考えれば、どれだけ異常な現象が続いているか、分かってもらえるだろう。打者の長打率は下がり続け、投手の球速は上がり続けている。「投高打低」の原因はなんなのか? 今後も続くのか? さまざまな角度から分析し、「投高打低の真実」として、6回連載で検証してみよう。

プロ野球

7年間で3キロも球速UP

ここまでは「打低」を中心に探ってきたが、今回は「投高」の側から探ってみよう。

そこで投手のレベルアップを示す分かりやすい数値として、プロ野球で得点力が下がりはじめた18年からのフォーシーム(直球)の平均球速に目を向けてみよう。

◆プロ野球のフォーシーム平均球速


18年143・7キロ
19年144・2キロ
20年145・0キロ
21年145・5キロ
22年146・1キロ
23年146・5キロ
24年146・7キロ

驚くべきことに7年間で3キロも速くなっている。これがどれだけ驚異的な数値かが分かるように、メジャーのフォーシームの平均球速と比較する。

◆メジャーのフォーシーム平均球速


18年150・0キロ
19年150・3キロ
20年150・3キロ
21年150・8キロ
22年151・1キロ
23年151・6キロ
24年151・7キロ

まだまだメジャーは日本より5キロも速いが、同じ7年間でメジャーが1・7キロ速くなっているのに対し、日本は倍近い3キロもアップ。日本の投手が驚異的なスピードで球速を上げているのが分かるだろう。

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プロを中心とした野球報道が専門。取材歴は30年を超える。現在は主に評論家と向き合う遊軍。
投球や打撃のフォームを分析する企画「解体新書」の構成担当を務める。