「神戸っ子」坂本花織と三原舞依を支える力 シーズン全休でも応援続けた企業の思い

フィギュアスケートの世界選手権は3月26日、さいたまスーパーアリーナで閉幕しました。

女子で日本初の2連覇達成者となったのが坂本花織(22)でした。今季は22年12月のグランプリ(GP)ファイナルで初優勝を飾った三原舞依(23=ともにシスメックス)と世界の女子フィギュア界をけん引。シーズンを締めくくる世界国別対抗戦(4月13~16日、東京体育館)にもそろって代表入りを果たしました。

神戸を拠点とし、中野園子コーチの指導を受ける2人を支えているのが、所属先の医療機器メーカー「シスメックス」。同コーチ門下生の壷井達也(20)を含めた3人を支える同社の担当者に思いを聞きました。

フィギュア

〈世界連覇女王とファイナル女王が所属、シスメックスの担当者・新澤さんに話を聞いた〉

3月26日エキシビション、よそ見をしていて三原(右)にぶつかってしまい驚いた表情を見せる坂本

3月26日エキシビション、よそ見をしていて三原(右)にぶつかってしまい驚いた表情を見せる坂本

【世界選手権女子シングル上位成績】


順位名前SPフリー合計
優勝坂本花織79.24145.37224.61
2イ・ヘイン73.62147.32220.94
3ルナ・ヘンドリックス71.94138.48210.42
4イザボー・レビト73.03134.62207.65
5三原舞依73.46132.24205.70

ZOOMでつながりバナータオル広げて世界選手権応援

3月24日、時刻は午後9時に差しかかろうとしていた。

緊張感高まるさいたまスーパーアリーナのリンク上では、女子フリー最終組の6人が順に演技をしていた。

ショートプログラム(SP)3位の三原が、大会前に生じた脚の痛みを抱えながらも懸命に滑りきった。

SP首位の坂本は最終滑走の重圧をはねのけ、2位を3・67点差で振り切って表彰台の中央に立った。

その様子をシスメックスの社員たちはテレビで観戦し、ZOOMで互いの顔を見ながら応援していた。恒例になったオンラインでの「応援会」は盛況だった。

世界選手権女子フリーに登場した坂本花織と三原舞依を応援するシスメックスの社員たち(シスメックス提供)

世界選手権女子フリーに登場した坂本花織と三原舞依を応援するシスメックスの社員たち(シスメックス提供)

  

神戸市中央区。JR神戸線の灘駅、阪神電鉄の岩屋駅から南の方向へ、なだらかな坂を下ると「HAT神戸」の文字が見えてくる。

「HAT」は「Happy Active Town」の頭文字が合わせられた。海からの風が吹き込む、神戸市の東部新都心。

そこに、坂本が通った神戸市立渚中学校がある。

「銅メダル、おめでとう!!」

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大学までラグビー部に所属。2013年10月に日刊スポーツ大阪本社へ入社。
プロ野球の阪神を2シーズン担当し、2015年11月から西日本の五輪競技やラグビーを担当。
2018年平昌冬季五輪(フィギュアスケートとショートトラック)、19年ラグビーW杯日本大会、21年東京五輪(マラソンなど札幌開催競技)を取材。
21年11月に東京本社へ異動し、フィギュアスケート、ラグビー、卓球などを担当。22年北京冬季五輪もフィギュアスケートやショートトラックを取材。
大学時代と変わらず身長は185センチ、体重は90キロ台後半を維持。体形は激変したが、体脂肪率は計らないスタンス。