How are youも分からなかった渡辺倫果 海外記者を笑かすまでの英語上達術

フィギュアスケートに本来の意味の“オフシーズン”はないのかもしれない。

シーズン中、トップ選手は国内外の競技会を転戦。オフに入っても、アイスショーや振り付けに忙しい。

世界で戦うために、切り離せないのが海外での滞在。今季、グランプリ(GP)シリーズデビューを飾った女子の渡辺倫果(20=TOKIOインカラミ/法政大)は、22年10月のスケートカナダで初出場初優勝を飾った。その場では海外メディアの質問に英語で答え、ぐっと距離を縮めた。

一体、英語力はどのように育んだのか。渡辺本人がその疑問に答えてくれた。

フィギュア

GPシリーズ初出場だった昨年10月のスケートカナダで初優勝を飾った渡辺倫果。外国人記者から「渡部絵美さんの親戚?」との質問が飛んだ(ロイター)

GPシリーズ初出場だった昨年10月のスケートカナダで初優勝を飾った渡辺倫果。外国人記者から「渡部絵美さんの親戚?」との質問が飛んだ(ロイター)

笑いが絶えなかったSカナダ取材エリア

2022年10月29日、カナダの大都市トロント近くに位置するミシソーガ。

スケートカナダの取材エリアでは、笑いが絶えなかった。

その中心に渡辺はいた。

趣味は甲殻類の一種である「ダイオウグソクムシ」のグッズ集め。取材ブースでは海外メディアを相手に英語で受け答えし、記者会見が始まると興味津々の外国人記者に「約40年前、日本のフィギュア界には渡部絵美さんがいた。親戚ではないのか?」と聞かれた。

「あの質問は『おぉ~!』って思いました。日本人からしたら漢字が違うから分かるけど、海外の方からしたら分からないですよね」

のちに笑って振り返った渡辺は、新鮮なやりとりを楽しんでいるようだった。

渡辺がカナダに渡ったのは中学2年生の冬だった。

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大学までラグビー部に所属。2013年10月に日刊スポーツ大阪本社へ入社。
プロ野球の阪神を2シーズン担当し、2015年11月から西日本の五輪競技やラグビーを担当。
2018年平昌冬季五輪(フィギュアスケートとショートトラック)、19年ラグビーW杯日本大会、21年東京五輪(マラソンなど札幌開催競技)を取材。
21年11月に東京本社へ異動し、フィギュアスケート、ラグビー、卓球などを担当。22年北京冬季五輪もフィギュアスケートやショートトラックを取材。
大学時代と変わらず身長は185センチ、体重は90キロ台後半を維持。体形は激変したが、体脂肪率は計らないスタンス。