【吉田陽菜〈中〉】トリプルアクセルを初めて跳んだ夏の日
日刊スポーツ・プレミアムでは、毎週月曜日にフィギュアスケーターのルーツや支える人の思いに迫る「氷現者」をお届けしています。
シリーズ第22弾は、2023-24年シーズンのグランプリ(GP)シリーズに初出場してGPファイナルに進出。いきなり3位に入った吉田陽菜(18=木下アカデミー)を取り上げます。全3回の中編では、12歳でトリプルアクセル(3回転半)を着氷させた背景や、その後の苦悩を描きます。(敬称略)
フィギュア
吉田陽菜(よしだ・はな)
2005年(平17)8月21日、愛知・名古屋市生まれ。6歳で競技を始め、安藤美姫さんらを指導した門奈裕子コーチに師事。2016年に全日本ノービスBで、2017年には全日本ノービスAで優勝。翌2018年げんさんサマーカップでトリプルアクセルを成功させた。2020年から木下アカデミーに在籍。2023年GPシリーズ第4戦中国杯では初出場にして優勝し、GPファイナルで銅メダルを獲得した。趣味は史跡巡り。
トリプルアクセルを跳んだ夏の日
数々の大会で表彰台に上ってきた吉田だが、中でも、特に心に深く刻まれている試合がある。
あれは、太陽がギラつく夏の日だった。毎年8月に開催されるげんさんサマーカップ。会場に向かう12歳の吉田には、ある決意があった。
「トリプルアクセル、絶対跳びたい!」
ジャンプ6種類の中で唯一前向きに踏み切る高難度ジャンプ。試合で挑める選手は限られているが「いけそう」といいイメージができるほど、練習での成功率は上がってきていた。
滋賀・大津市内にある木下カンセーアイスアリーナへ向かう道中、ぱっと空を見上げる。そこで見た空は、日本各所で記録的な豪雨が記録されているとは信じられないほど、晴れ渡っていた。
トリプルアクセル(3回転半)を意識し始めたきっかけは、22年世界選手権3位で昨春引退した同じ年のスケーター、アリサ・リュウ(米国)だった。
吉田は、18年2月下旬にオランダで見た景色をまぶたに浮かべる。
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大阪府泉大津市出身。2022年4月入社。
マスコミ就職を目指して大学で上京するも、卒業後、大阪に舞い戻る。同年5月からスポーツ、芸能などを取材。
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