【札幌レター〈70〉/返信】理想と現実 札幌のマンツーマンディフェンスはこれでいいのか?

前回の「札幌レター」では、北海道コンサドーレ札幌が20年から取り組むオールコートマンツーマンディフェンスについて、DF岡村大八(27)に解説してもらった。世界のトレンドになりつつある戦術だが、現在チームはリーグワースト失点でJ1最下位と苦しむ。理想と現実-。石川秀和記者が分析してくれた。

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前回は「岡村大八が解説 今ピッチで何が起きているのか?」と題して、札幌のマンツーマンディフェンスを深掘りした。チームの成績が出ない今、利点もあるがリスクもある同戦術について一度、考えてみたい。石川記者からの返信では、札幌の今季の1対1の局面でのタックル成功率に注目している。

鹿島対札幌 後半、競り合う鹿島ギリェルメ・パレジ(左)と札幌馬場(2024年7月6日撮影)

鹿島対札幌 後半、競り合う鹿島ギリェルメ・パレジ(左)と札幌馬場(2024年7月6日撮影)

マンツーマン戦術。札幌のペトロビッチ監督が「守備でアグレッシブにマンツーマンで奪いに行くのも今のモダンなサッカー。そのためには走って切り替えて戦わなければならない」と5シーズン前から話していたように、現在開催中の欧州選手権でも注目される戦術の1つになっている。

欧州サッカー連盟(UEFA)技術研究グループの最新のリポートでも「マンツーマンは注視しているテーマ」とし、「例えば、セルビアがイングランドとの1次リーグ初戦の後半に強くプレッシャーをかけ続けたのは印象的だった。非常に攻撃的で、ウイングバック、センターバックでさえもリスクを冒し、1対1でプレーする場面が頻繁にあった」と、その戦いを評価していた。

鹿島対札幌 前半、ボールを止める札幌GK菅野(2024年7月6日撮影) 

鹿島対札幌 前半、ボールを止める札幌GK菅野(2024年7月6日撮影) 

ペトロビッチ監督とつながりが深く、J1名古屋で選手、監督として活躍したストイコビッチ監督率いるセルビアは、札幌と同じ3バック。イングランドのケーン、ベリンガム、フォーデンら世界トップレベルのアタッカー陣をマンツーマンで封じ込めた。後半の45分間に限れば、前線から強烈なプレスを仕掛け続けた。試合は前半の1失点で敗れたものの、可能性を感じさせる戦いだった。

「マンツーマン」というと、古くさく聞こえるかもしれないが、実は一周回って新しいのかも。

鹿島対札幌 後半、激しく競り合う鹿島知念(左)と札幌駒井(2024年7月6日撮影)

鹿島対札幌 後半、激しく競り合う鹿島知念(左)と札幌駒井(2024年7月6日撮影)

それを66歳の現Jリーグ最年長指揮官は2020年シーズンから取り組んできた。前線からの強烈なプレスは岡村が言うように「うちのやり方を見ながら例えば広島だったり、名古屋なんかも割と前から(プレスを)かけるようになった」。今では欧州の最先端の分析グループも注目する戦術だ。

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スポーツ

保坂果那Kana Hosaka

Hokkaido

北海道札幌市生まれ。2013年から高校野球などアマチュアスポーツを担当し、2016年11月からプロ野球日本ハム担当。
2017年12月から北海道コンサドーレ札幌担当。冬季スポーツの担当も務め、2022年北京五輪ではノルディックスキー・ジャンプや複合を取材。