【日本代表を追う〈9〉】敗れてW杯へ浮き彫りになったもの 久保建英語る責任と収穫
8大会連続8度目のワールドカップ(W杯)出場に向けて戦うサッカー日本代表(FIFAランキング15位)のアジア最終予選を追うドキュメント。すでに突破を決めた6月シリーズの5日の初戦(第9戦)は敵地パースでのオーストラリア代表(同26位)戦。前節サウジアラビア戦から先発を10人入れ替える強気の采配で臨みました。初出場が3人、最終予選デビューが8人。MF鎌田大地(クリスタルパレス)がキャプテンマークを託された一戦は、終始攻め込むもゴールをこじ開けられない。逆に試合終了間際の失点で最終予選初黒星を喫しました。
サッカー
〈森保ジャパン Road to 26 最終予選第9戦オーストラリア戦〉
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14人入れ替え フレッシュ布陣
5月23日のメンバー発表の時点でサプライズ要素満載だった。MF遠藤航主将(リバプール)やMF久保建英(Rソシエダード)、鎌田らを除き、多くの主軸がシーズンの疲労を考慮して選外に。3月からは14人を入れ替えるフレッシュな顔ぶれがそろった。
最年少18歳のMF佐藤龍之介(ファジアーノ岡山)、DF鈴木淳之介(湘南ベルマーレ)などの新顔、23年1~2月のアジア杯カタール大会以来となるMF佐野海舟(マインツ)、さらには弟の佐野航大(NECナイメヘン)も招集。チームの熟成よりも新戦力発掘にかじを切ったという明確なメッセージが読み取れた。
フルシーズン戦いながら選出された久保に対しては、森保監督が「新たに入ってくる選手のリーダー役として同世代の選手として、いろんなものをみせてほしい」と期待を寄せた。
戦いの舞台は「世界で最も美しい街」とも称されるように自然と都会が調和したオーストラリアのパース。遠藤主将や若手のリーダー役の久保、ベテラン長友佑都(FC東京)らを軸に、普段の代表とは別チームのようなメンバーで6月2日に始動した。
久保バロンドールへ夢語る「W杯次第では…期待していきたい」
3日には約7900キロ離れた日本から巨人軍終身名誉監督の長嶋茂雄さんの訃報が伝えられた。取材予定のなかった森保監督が練習前に報道陣の前に現れ、長嶋さんへ哀悼の意を示した。大の巨人ファンで、少年時代には野球に熱中していた。背番号は3だったという。
「日本の国民的スター。野球をはじめ、スポーツの価値を高めてくださった長嶋茂雄さんに心からご冥福をお伝えできればと思います」
そう話し終わると雨がざっと降った。しばらくして雨雲が過ぎ、空を見上げると美しい二重の虹。選手たちがウオーミングアップを始めた。
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佐藤成Sei Sato
2019年入社。高校野球の埼玉県担当後、文化社会部に配属。社会班として、常磐自動車道あおり運転事件や埼玉県知事選などを取材。
11月から芸能班に配置転換で、放送担当に。日本テレビ、TBSを受け持った。事務所はワタナベエンターテインメントやホリプロ、吉本興業など。
23年5月にスポーツ部へ異動。サッカー班として川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、A代表、U-23日本代表、なでしこジャパンの担当となる。24年1月アジアカップカタール大会、パリオリンピックなど取材。血液型B。